2004年12月28日(火)「しんぶん赤旗」

さいたま市議南区補選 オール与党に勝った

共産党トップ当選の背景

市長給与月16万円アップ
議員報酬月23万円アップ

市民は怒った


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当選の報を聞いて駆けつけた支持者と抱き合って喜ぶ斎藤真起氏(こちら向き=26日午後10時30分ごろ、さいたま市南区

 二十六日投開票された、さいたま市南区市議補欠選挙(定数二)で日本共産党の斉藤真起氏=前=が八千五百二十五票(得票率48・0%)で、トップ当選を果たしました(候補者別得票は別項)。今夏の参院比例票で民主党三万、自民党一万七千、公明党八千にたいし日本共産党五千九百二票の力関係を覆した背景には、自民・公明・民主の「オール与党」が強行した市長給与・議員報酬大幅引き上げへの市民の怒りと、市民と手を携えて唯一「元に戻せ」と主張してきた日本共産党への共感がありました。埼玉県・川嶋猛記者

異例の布陣にも2690票の差

 今回の市議補選は現職議員の衆院選挙出馬、死亡にともなうもの。

 選挙結果に、さいたま市議会の保守会派の幹部は、「(報酬・給与問題の影響は)まったくない」と平静を装いつつ、「共産党には負けた」と悔しさをにじませました。相川宗一市長の全面支援に加え、自民・公明共同推薦という異例の布陣で臨んだにもかかわらず、二千六百九十票引き離されました。

「給与元に戻せ」署名6万3千人

 選挙戦では、市民の怒りが渦巻いていました。七月から大幅に引き上げられた市長給与・議員報酬問題です。六月議会に、さいたま市の政令市移行を理由に市長給与を月額十六万円、議員報酬を同二十三万円、四年ごとの市長退職金を一千万円それぞれ増額する条例が提案されました。反対を貫いたのは日本共産党だけ。党市議団は党議員の報酬増額分は元に戻す運動のために使うことを決め、元に戻そうと呼びかける市民集会や署名行動の先頭にたちました。

 「この不況の時に自分たちの給料だけお手盛りで引き上げるなんてふざけるなと言いたい」「市民の税金だという認識がまったくない」―日本共産党の呼びかけに市民の怒りが市長と議会に殺到しました。「報酬・給与を元に戻す請願署名」に六万三千人以上が署名。九月議会では、自身の任期中に限定しながらも市長退職金を元に戻させるところまで相川市長を追いつめました。

 一方で月々の報酬・給与は手つかずのまま。日本共産党提案の「引き上げ前に戻す条例」案には共産党を除くすべての議員が反対し、市民感覚とかけ離れた市長と「オール与党」議会に批判が高まる中で補欠選挙を迎えたのでした。

 選挙で斉藤氏は、「報酬・給与を元に戻し、税金をくらしや教育のために使う市政を」と訴えました。「自民党支持だったが、今度は共産党」と党派を超えて支持が広がりました。

共産党応援マイク初めてにぎった

 「報酬・給与を元に戻そう市民の会」で活動する斉藤修治さん(69)もその一人です。昨年四月の市議選では無所属議員の応援に駆け回りましたが、応援した議員は「報酬引き下げ」を主張していたにもかかわらず、引き上げに賛成。「裏切られた」との思いから初めて日本共産党応援のマイクを握ったのです。「(日本共産党のトップ当選は)当然の結果です。市長や議会は市民の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ」と語ります。

 日本共産党市議団の山崎章団長は「さいたま市が政令市になっても市民には何もいいことがなかった。政令市一高い国保税や福祉の後退など、市民は痛みを肌で感じてきました。報酬・給与問題にひとことも触れなかった他の候補では市民の願いを受け止めることはできません」と言います。

 斉藤真起氏は「議員報酬・市長給与を元に戻させるため、まずは来年一月の『市民の会』提出の請願審査と二月の本会議に向けて全力をつくします」と語りました。


開票結果

 当斉藤 真起42八五二五

    (日本共産党)

 当桶本 大輔36五八三五

    (自民・公明推薦)

  佐野 尚子51三三九二

    (民主党衆院議員秘書)



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