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日本共産党

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赤旗

21、高齢者

高齢者が安心してくらせる社会をつくります

2022年6月

 65歳以上の高齢者は、3600万人にのぼります。戦前、戦中、戦後の苦難の時代を、身を粉にして働き、家族と社会のためにつくしてきた人たちです。

 高齢者は「多年にわたり、社会の進展に寄与してきた者」「豊富な知識と経験を有する者」として「敬愛されるとともに、生きがいをもてる健全な安らかな生活を保障される」と老人福祉法に明記されています。高齢者が安心して暮らせる社会をつくることは、政治の重要な責任です。

 ところが、社会保障費の「自然増削減」をかかげる自公政権のもと、この間、高齢者は、年金の削減、医療費の負担増、介護サービスの取り上げなどの制度改悪にさらされ、高齢者と現役世代を対立させる世代間分断の悪宣伝によって傷つけられてきました。

 コロナ危機が起こると、重症化・死亡のリスクがもっとも高い高齢者は、文字どおりの命の危機にさらされてきました。

 そして今、高齢者は、物価高騰・生活必需品の価格急上昇のなかで、もっとも深刻な被害を受けています。にもかかわらず、岸田自公政権は、6月支給分からの年金削減を行い、75歳以上の医療費の窓口負担の2倍化を10月から実施することを決めています。

 高齢者の命と尊厳を守り、暮らしを保障する政治への転換が必要です。

 日本共産党は、高齢者が大切にされ、安心して老後をおくれる社会の実現をめざして全力をあげます。

年金削減を中止し、高齢者も現役世代も"頼れる年金"に改革します

 物価高騰にもかかわらず、岸田政権は、6月支給分から年金支給額を0.4%削減しました。自公政権が「100年安心」の名で、年金の支給水準を減らし続ける仕組みを導入したことが異常事態を招きました。

 安倍・菅・岸田政権の10年間で、年金は、物価上昇分を差し引いた実質で6.7%も減らされています。年金削減は、消費を冷やし地域経済にも深刻な打撃となります。自公政権は「現役世代のために」と言って年金削減を行っていますが、現役世代の最大の不安は、どんどん年金が減っていく現行制度への不信です。高齢者にも現役世代にも"頼れる年金"への改革が急務です。

―――物価高騰下での年金削減を中止します。

―――「マクロ経済スライド」「賃金マイナススライド」など自公政権が導入してきた年金削減の仕組みを廃止し、物価に応じて増える年金にします。

―――信頼できる年金制度のために、(1)高額所得者優遇の保険料の見直し、(2)巨額の年金積立金の計画的活用、(3)賃上げと正社員化で保険料収入と加入者を増やす――という三つの改革に取り組みます。

―――"頼れる年金"への改革として、基礎年金満額の国庫負担分にあたる月3.3万円をすべての年金受給者に支給し、低年金の底上げを行います。さらに、全額国庫負担の最低保障年金の導入をめざします。

―――「消えた年金」「消された年金」問題に対する国の責任放棄を許さず、問題解決に向けた人員・体制を確保し、解決に責任を持つことを求めます。

 (3、年金)もご覧下さい。

75歳以上の医療費2倍化を中止します

 昨年6月、75歳以上の医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げる高齢者医療費2倍化法が、自民・公明・維新・国民の賛成で強行され、今年10月から実施となっています。

 2倍化の対象となるのは、75歳以上で所得が一定額を超える370万人、負担増(給付削減)の総額は2022年の平年度ベースで1880億円、1人当たりの負担増は年5万円を超えます。物価高騰で大打撃を受けている高齢者にこんな負担増を強いるなど許せません。

―――75歳以上の医療費2倍化を中止・撤回させます。

安心してかかれる医療制度への改革を進めます

 後期高齢者医療制度は、国民を年齢で区切り、高齢者を別枠の医療保険に強制的に囲い込んで、負担増と差別医療を押しつける稀代の悪法です。2008年の制度導入以来、7回にわたる保険料値上げが実施され、高齢者の生活を圧迫する重大要因となっています。

 しかも、自公政権はこの間、2008年度にこの制度がスタートした際に導入した保険料の軽減措置(特例軽減)を打ち切り、低所得者への大幅な保険料引き上げを強行しました。そのうえ今度は、窓口負担の2割への引き上げです。こんな高齢者いじめは許せません。

―――後期高齢者医療制度の保険料・窓口負担の引き上げをやめさせ、差別制度を廃止し、元の老人保健制度に戻します。

―――減らされてきた高齢者医療への国庫負担を抜本的に増額し、高齢者・国民の負担軽減を進めます。

 欧州諸国など先進国では、窓口負担は無料または少額の定額制です。日本でも、岩手県沢内村(現・西和賀町)で始まった老人医療費無料化制度が全国に広がり、1973年から1983年まで国の制度として実現した歴史をもっています。

―――75歳以上の医療費2倍化を中止させ、70~74歳の人や「現役並み所得者」を含め、70歳以上の窓口負担をすべて1割に引き下げます。

―――将来的には"窓口負担ゼロ"の医療制度に前進していきます。

 74歳以下の年金生活者の多くが加入する国民健康保険の、高すぎる保険料(税)負担と滞納者への過酷な制裁が、国民皆保険の基盤を揺るがす大問題となっています。

 全国知事会、全国市長会などは、加入者の所得が低い国保が、他の医療保険よりも保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、これを解決するため、公費投入・国庫負担を増やし国保料(税)を引き下げることを、国に要望し続けています。

 日本共産党は、住民の命と健康、公的医療保険制度を守るため、高すぎる国保料(税)を抜本的に引き下げ、持続可能な制度にする改革を提案します。

―――国民健康保険への1兆円の公費投入増を行ない、「均等割」「平等割」を廃止し、高すぎる国保料(税)を引き下げます。

―――無慈悲な保険証の取り上げ、差し押さえなどの強権的な取り立てをやめさせます。

 コロナ危機により日本の医療体制の脆弱さが露呈したにも関わらず、自公政権は、「地域医療構想」にもとづく病床削減、公立・公的病院の統廃合を進めようとしています。

―――病床の削減計画や入院患者の"追い出し"路線をストップさせ、安心して入院治療・療養ができるよう体制をととのえます。

介護保険制度の拡充を図ります

 「老老介護」に疲れ果てた高齢者夫婦の無理心中や、要介護の高齢者を抱えた一家全員が遺体で発見される「孤立死」など、痛ましい事件が後を絶ちません。会社などで働いていた人が家族の介護のために仕事をやめる「介護離職」が毎年8~10万人にのぼるなど、介護の問題は、現役世代にとっても、大きな不安要因となっています。

 さらに、コロナ危機のもとで多くの介護事業所が経営困難に陥り、介護施設は集団感染(クラスター)の脅威にさらされてきました。これらは、自公政権が社会保障費削減のため、公的介護・福祉制度の改悪を繰り返すなかで起こってきた事態です。

 重い保険料・利用料の負担、深刻な介護施設の不足など、介護の危機を解決することは、いまや国民的課題となっています。

―――介護保険の改悪に反対し、特養ホームの抜本的増設による「介護難民」の解消、利用料・保険料の減免制度の創設、介護報酬の増額による介護・福祉職員の賃上げと労働条件の改善など、必要なサービスが受けられる介護制度への見直しを進めます。

―――利用料・保険料などの国民負担増を抑えながら、介護制度の抜本的改善を図るため、介護保険に対する国庫負担割合をただちに10%引き上げ、公費負担割合を60%にします。

 (5、介護もご覧下さい。

高齢者の「住まいの人権」を保障します

 高齢者のなかで、現在、居住する住宅の問題で困っているという人は、4割を超えます。特養ホーム待機者は、「要介護1・2」を除いた後も30万人近くにのぼり、ケアハウス、グループホームなどの入居希望者も増えています。政府は、「高齢者住まい法」を改定し、「サービス付き高齢者向け住宅」の建設を推進していますが、その利用者は、家賃・食費・サービス費・介護保険の自己負担分をあわせて月15~20万円程度を負担できる人に限られます。低所得・低年金の人も含め、高齢者に住まいを確保する取り組みが必要です。

―――低所得で体調に不安があり、様々な理由から同居家族がいない高齢者を低廉な費用で住まわせる「軽費老人ホーム(ケアハウス)」の増設を進めます。

―――高齢者が住み慣れた町で暮らせるよう、国と自治体の責任で住宅整備や家賃補助を行う「地域優良賃貸住宅」の活用を図るなど、住宅福祉を抜本的に拡充します。

―――虐待被害や貧困など困難を抱える高齢者を、市町村が救済して入所させる養護老人ホームの機能の再生・拡充を図ります。

―――介護保険の住宅改修の改善を図るとともに、自治体による住宅改造助成制度の新設・拡充を進めます。サービス付き高齢者住宅については、自己負担への補助制度の導入や入居者のくらしと権利をまもる仕組みづくりを進めます。

―――公営住宅やUR(都市再生機構)の賃貸住宅の建設を増やし、高齢者むけの家賃減免制度の拡充を図ります。民間賃貸住宅に暮らす高齢者に対し自治体の家賃補助制度の普及を進めます。

高齢者の就業・雇用・賃金にかかわる権利を守ります

 政府は、年金制度改変の議論とも呼応させながら、"高齢者の就労促進"を叫んでいます。しかし、実際には、雇用継続や再雇用が認められる代わりに「賃金ダウン」「子会社への出向」といった待遇悪化を強いられ、ハローワークに通っても希望どおりの職種が見つからないなど、働き続けたいと望む高齢者の多くは、さまざまな困難を強いられているのが実態です。高齢者を"安い労働力"として使いたいという財界の要望に応える政策が続くのでは、高齢者の雇用をめぐる矛盾は拡大するばかりです。

―――雇用継続や再雇用を望む高齢者に対し、賃金ダウンや待遇悪化を進める制度改悪に反対します。高齢者の雇用と賃金を守るため、アメリカやEUで実施されているような、「年齢による差別を禁止する法律」(仮称)の制定をめざします。

 地域の実情に応じて、高齢者の就労・社会参加の場を広げることも大切な課題です。

―――シルバー人材センターを利用した低賃金で劣悪な雇用の拡大に反対し、賃金や労働条件、労働災害補償などの改善を図ります。高齢者の就労の場の確保のために活動している団体に対し、行政が支援を行うようにします。全国のシルバー人材センターの会員(約70万人)にも消費税の納税義務を負わせ、経済的・事務的負担増を強いる、インボイス(適格請求書)制度の導入に反対します。

 日本の高齢者の就業率は欧米諸国に比べて高くなっていますが、「高齢者が就労を希望する理由」は、日本では、「収入が欲しいから」が51.0%の断トツのトップで、「仕事が面白いから」と答えた人は15.8%にとどまりますが、ドイツやスウェーデンでは「仕事が面白いから」がトップで「収入が欲しいから」と答えた人は少数派です(内閣府「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」、2020年)。この事実は、日本で多くの高齢者が就労を希望する要因に、公的年金の水準が低すぎ、収入のために「働かざるを得ない」実態があることを示しています。

―――高齢者が各々の意欲と能力にふさわしく働ける環境を整備するとともに、社会保障を拡充し、"高齢者が無理をして働かなくても暮らしていける社会"にします。

安心・安全のネットワークづくりを進めます

 一人暮らしの高齢者(65歳以上)は年々増えつづけ、600万人にのぼります。だれにもみとられず亡くなる、痛ましい孤独死は、民間団体の推計で年間2万人を超えるとされています。その背景には、医療制度の連続改悪、生活保護の"門前払い"や利用者バッシング、自治体の高齢者福祉の後退があります。社会保障改悪をやめて改善・充実を図ると同時に、行政が責任をもって地域住民と協力しあい、高齢者を地域で支える、安心のネットワークをつくることが急務です。

 日本社会の病理化が進行し、虐待被害や貧困・孤立など処遇困難な高齢者が急増する今こそ、自治体の福祉・保健・公衆衛生の再構築が必要です。

―――自治体と地域包括支援センターが、地域の高齢者の実態を把握し、介護保険や民間では対応できない人を直接救済する体制を強化します。そのために、自治体の福祉職員の増員、地域包括支援センターの体制強化、養護老人ホームへの財政支援などを進めます。

―――NPO、ボランティア団体、地域自治会、社会福祉協議会などに、地域で高齢者の暮らしをささえる多様な主体に、本来、介護保険や自治体福祉が行うべきサービスを"肩代わり"させる改悪を中止し、本来の役割の発揮を応援して、高齢者への配食サービス、見守り活動、緊急通報システムなどの普及・拡充を図ります。高齢者が積極的に外出し、住民同士で会食や交流などができる、ミニ集会所をきめこまかに整備します。

―――「買い物弱者」(買い物難民)をなくすため、移動販売車への補助、商店街・小売店への移動手段の確保などを行います。

政策