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日本共産党

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赤旗

4、医療

自公政権に壊された医療体制を再生・強化し、高すぎる国保料(税)と窓口負担の軽減で、安全・安心の治療を受けられる制度へ

2022年6月

 新型コロナウイルス感染症の拡大と、そのなかで起こった医療崩壊は、日本の医療体制がいかに脆弱になっているかを明らかにしました。

自公政権は、40年にわたって社会保障削減の政治を続け、この20年間は社会保障予算の「自然増」を、毎年、数値目標を決めて削減する政治を続けてきました。こんなことをすれば、医療や公衆衛生が弱体化するのも当然です。医療崩壊を再び起こしてはならない――これはコロナ危機の痛苦の経験を踏まえた政治の重い責任です。

 ところが、岸田政権は、物価高騰で大打撃を受けている75歳以上の高齢者の窓口負担を、今年10月から2倍に引き上げることを決めました。

 日本共産党は、安倍・菅・岸田政権が強行してきた医療制度改悪にストップをかけ、新型コロナの脅威から国民の命と健康を守る対策を進めながら、壊されてきた医療の基盤を再生・強化する改革を進めます。

新型コロナウイルス感染症から国民の命・健康・暮らしを守ります

 下記URL「各分野政策 1、コロナ対策・感染症」をご参照ください。
 ➡https://www.jcp.or.jp/web_policy/2022/06/202207-bunya01.html

75歳以上の医療費2倍化を中止します

 昨年6月、75歳以上の医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げる高齢者医療費2倍化法が、自民・公明・維新・国民の賛成で強行され、今年10月から実施となっています。

 2倍化の対象となるのは、75歳以上で所得が一定額を超える370万人、負担増(給付削減)の総額は2022年の平年度ベースで1880億円、1人当たりの負担増は年5万円を超えます。物価高騰で大打撃を受けている高齢者にこんな負担増を強いるなど許せません。

―――75歳以上の医療費2倍化を中止・撤回させます。

高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げ、住民と医療保険制度を守ります

 市町村が運営する国民健康保険は、加入世帯主の4割が年金生活者などの無職、3割が非正規労働者で、低所得者が多く加入する医療保険です。ところが、平均保険料は、4人世帯の場合、同じ年収のサラリーマンの健康保険料の2倍になります。

 全国知事会、全国市長会などは、加入者の所得が低い国保が、他の医療保険よりも保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、これを解決するため、公費投入・国庫負担を増やし国保料(税)を引き下げることを、国に要望し続けています。

 日本共産党は、住民の命と健康、公的医療保険制度を守るため、高すぎる国保料(税)を抜本的に引き下げ、持続可能な制度にする改革を提案します。

―――1兆円の公費投入増で国保料(税)を抜本的に引き下げ、協会けんぽの保険料並みに引き下げます。

―――「人頭税」と同じ「均等割」「平等割」を廃止します。「所得割」の保険料率の引き下げ、低所得世帯に重い「資産割」がかかる問題の改善などを行います。

―――生活に困窮する人の国保料(税)を免除し、その費用を国庫で補う国の制度をつくります。

 自民政権は2018年度から、それまで市町村ごとに分かれていた国保の財政を都道府県に集約する「国保の都道府県化」を行いました。この制度改変の最大の狙いは、市町村が一般会計から国保会計に繰り入れて行っている、自治体独自の保険料(税)軽減をやめさせ、その分を住民の負担増に転嫁させることです。

 そのため、2018年度から「標準保険料率」、「保険者努力支援制度」など、自治体独自の公費繰入をやりにくくする、さまざまな仕組みが導入されました。

 さらに、政府は、「保険料の統一化」の名で公費繰入をやめさせる圧力を自治体にかけ、都道府県が定める「国保運営方針」の目的に"繰入解消"を書き込ませる法律改悪まで強行しています(2021年)。

 国保が「都道府県化」されても、「地方自治の本旨」「自治体の条例制定権」を定めた憲法のもと、自治体が独自の公費繰入を続けることは可能です。日本共産党は、「国保の都道府県化」による国保料(税)引き上げに断固反対し、自治体を住民負担増・給付削減へと駆り立てる仕組みを撤廃します。

―――「国保の都道府県化」を利用した保険料値上げを許しません。

 所得がなくて国保料(税)を滞納した人が、保険証を取り上げられたり、なけなしの預貯金や家財道具を差し押さえられたりする事態が広がり、大きな社会問題となっています。

 失業や病気、事業の不振などで国保料(税)が払えなくなった加入者に行政が追い打ちをかけ、さらなる貧困に叩き落すようなことがあってはなりません。

―――保険証取り上げの制裁措置を規定した国保法第9条を改正し、保険証の取り上げをなくします。

―――差し押さえなどの強権的な取り立てを奨励する国の行政指導をやめさせます。

―――滞納者の生活実態をよく聞いて親身に対応する相談・収納活動に転換します。

 住民負担増の改悪をストップし、保険料・窓口負担の軽減をすすめます

―――国保料(税)の負担上限の引き上げに反対します。

―――子ども(小学生以上)、高齢者、障害者、ひとり親家庭などの医療費無料化(現物給付)を行う自治体に対し、国保の国庫負担を減額する国のペナルティ(地単カット)をやめさせます。

―――国保法第44条の規定にもとづく、生活困窮者の窓口負担(一部負担金)の減免を積極的に推進します。

―――建設国保などの国保組合が行う、窓口負担の取り組みを攻撃する悪宣伝に反対し、国保組合への国庫補助を守り、拡充します。

高すぎる窓口負担を軽減し、先進国では当たり前の"窓口無料"をめざします

 「現役世代=3割、高齢者=1~3割」という窓口負担に国民が悲鳴をあげ、深刻な受診抑制が起こっています。

 ヨーロッパ諸国やカナダでは、公的医療制度の窓口負担はゼロか、あっても少額の定額制です。日本も1980年代までは「健保本人は無料」「老人医療費無料制度」でした。応能負担の原則にそって保険料や税の負担を求めつつ、患者負担は低額に抑え、必要な医療を保障するのが、公的医療制度の本来の在り方です。

―――国の制度で、18歳までの医療費無料化を実現します。

―――現役世代の窓口負担の2割への引き下げをめざします。

―――75歳以上の医療費2倍化を中止させ、70~74歳の人や「現役並み所得者」を含め、70歳以上の窓口負担をすべて1割に引き下げます。

―――高額療養費制度の改善・拡充を進めます。

―――将来的には"窓口負担ゼロ"の医療制度に前進していきます。

後期高齢者医療制度の保険料・窓口負担の引き上げをやめ、差別制度の撤廃をめざします

 後期高齢者医療制度は、国民を年齢で区切り、高齢者を別枠の医療保険に強制的に囲い込んで、負担増と差別医療を押しつける稀代の悪法です。2008年の制度導入以来、7回にわたる保険料値上げが実施され、高齢者の生活を圧迫する重大要因となっています。

 しかも、自公政権はこの間、2008年度にこの制度がスタートした際に導入した保険料の軽減措置(特例軽減)を打ち切り、低所得者への大幅な保険料引き上げを強行しました。そのうえ今度は、窓口負担の2割への引き上げです。こんな高齢者いじめは許せません。

―――後期高齢者医療制度の保険料・窓口負担の引き上げをやめさせ、差別制度を廃止し、元の老人保健制度に戻します。

―――減らされてきた高齢者医療への国庫負担を抜本的に増額し、高齢者・国民の負担軽減を進めます。

病床削減、病院統廃合、医師数抑制で地域医療を弱らせる政策を根本的に転換し、医療提供の基盤を再生・強化します

 自公政権は長きにわたり、社会保障費抑制のため、病床削減、病院統廃合、医師数抑制を進めてきました。そのなかで、見かけの病床数は他国より多いが、医師・看護師・スタッフの配置が薄く、高度医療や専門医療に対応できる機器や設備は限られ、常にギリギリの状態を強いられる、現在の医療体制が形作られました。

 そうした余裕のない医療体制の脆弱さがコロナ危機によって明らかになったにも関わらず、自公政権は、「地域医療構想」にもとづいて高度急性期・急性期病床を2025年までに20万床減らすという計画に固執し、400超の公立・公的病院を統廃合の対象としてリストアップして、病床・病院の淘汰を進めるよう自治体に圧力をかけています。2021年には、病床削減推進法を強行し、消費税増税によって得られた財源を使い、病床を削減した医療機関に補助金を出す仕組みまで導入しています。

 日本共産党は、社会保障費削減のために、医療体制を切り縮める政策を中止させ、拡充へと切り替えます。地域医療を支える医療機関への公的支援の拡充と、診療報酬の増額・改善を進めます。

―――感染症病床、救急・救命体制への国の予算を2倍にするとともに、ICU(集中治療室)病床への支援を新設して2倍にします。

―――「地域医療構想」にもとづく、高度急性期・急性期病床の削減、公立・公的病院の統廃合を中止します。

―――医師の削減計画を中止し、「臨時増員措置」を継続します。

 自公政権が病床削減推進法に盛り込んだ、病院の勤務医に「過労死ラインの2倍」の時間外労働をおしつける改悪を撤回し、医師の長時間・過密労働の解消をすすめます。

―――医師の長時間労働の是正、看護師の配置基準と労働条件の改善、新感染症に対応した診療報酬体系などを抜本的に充実させます。

感染症から国民の命と健康を守ります

(「各分野政策 1、コロナ・感染症」を参照)
 ➡https://www.jcp.or.jp/web_policy/2022/06/202207-bunya01.html

「医療費適正化計画」による給付削減の改悪に反対します

 「医療費適正化計画」はもともと、医療給付費の総額管理(「キャップ制」導入)という財界の提言に押され、2006年の医療改革法で導入された仕組みです。2018年度から、医療給付費の「予測」ではなく「目標」が明記されることになり、都道府県に、病床再編や後発医薬品の使用促進など、給付費の効率化に向けた努力が義務づけられました。「適正化計画」が定める医療給付費の「目標」と、「地域医療構想」の病床削減、「国保運営方針」を「整合」させることも法文に明記されています。

 自公政権は、都道府県ごとの医療給付費を「見える化」し、その「格差」を解消するという名目で、地域医療の「効率化」を自治体にせまり、給付費を"全国の低いレベル"に合わせていく指導を強めています。財界・財務省からは、2006年に導入した、都道府県の判断で診療報酬を「1点=9円」などにしていく仕組み(地方別診療報酬)の発動も叫ばれています。住民の命と福祉を守る自治体を、医療切り捨ての先兵に使うなど許されません。

―――「医療費適正化計画」による強権的な給費削減の推進に反対し、都道府県・市町村を医療切り捨てに動員する仕組みの撤廃をめざします。

混合診療の拡大、医療の営利産業化を許しません

 自公政権はこの間、「混合診療」解禁の"水路"となる「患者申出療養制度」を導入するなど、医療の市場化に向けた制度改悪を推進してきました。国民皆保険を掘り崩し、所得の格差による「命の格差」を拡大する、混合診療の全面解禁や医療の営利化は許されません。

―――保険外治療の拡大、混合診療の全面解禁にむけた策動を許さず、「必要な治療はすべて保険で給付する」「安全・有効な治療法はすみやかに保険適用する」という原則にそって保険治療の拡充を進めます。

―――差額ベッド料などの自費負担をなくし、安全で質の高い治療を保険で受けられるようにします。

―――社会保障と相容れない経営原理の持ち込みや、株式会社による医療経営解禁を許さず、非営利原則を守ります。

―――医薬品の対面販売の原則など患者の安全を守る規制を撤廃することに反対します。

協会けんぽの改悪に反対し、中小企業の労働者の医療を守ります

―――協会けんぽへの国庫補助を法定上限の「20%」に引き上げ、労働者・中小企業の負担軽減にむけた、国の支援を強化します。

―――自公政権が導入した、保険料引き上げ・給付抑制の仕組みを撤廃し、中小企業の労働者・家族に国の責任で医療を給付するという本来の目的にそって、制度改善を進めます。

―――協会けんぽの財政を強化するためにも、中小企業支援と一体の最低賃金の引き上げ、大企業と中小企業の公正な取引ルールの確立、国の中小企業振興策の拡充を推進します。

健診をゆがめる制度改悪に反対し、改善・充実をはかります

 40~74歳の国民に「特定健診」を受けさせ、メタボリック症候群の有無を判定する仕組みが導入されて約15年たちますが、「メタボ対策」への特化による検診項目の偏りや、自己負担の徴収が引き続き問題となっています。さらに、政府はこの間、各人の健診結果と受診履歴をマイナンバーによって"紐づけ"し、"健康づくり"の強要や保険者へのペナルティをいっそう強化する計画を推進しています。「医療の産業化」政策のもと、健診事業に健康機器業界やフィットネス産業が参入し、保険財政が食いものになる懸念も広がっています。

―――「自己責任」の名で健診をゆがめ、国民の健康保持に対する国・自治体の責任を後退させる改悪に反対します。病気の予防・早期発見という本来の主旨にたって、健診の改善・充実を図ります。

医療へのマイナンバー押しつけに反対します

 マイナンバーは、国民への徴税強化や社会保障削減を目的に導入され、個人情報の漏洩や人権侵害をもたらす仕組みです。

(「各分野政策 55、デジタル化問題、個人情報保護、マイナンバー」参照)
 ➡https://www.jcp.or.jp/web_policy/2022/06/202207-bunya55.html

 その利用を"拡大"するため、国民や医療現場の懸念を無視して、強引に医療制度のなかにマイナンバー活用を持ち込む改悪は認められません。

―――マイナンバーカードの保険証としての利用を可能とする制度改変が、住民や医療の現場に混乱をもたらしています。政府が検討する「現行の保険証の廃止」による「マイナ保険証」押しつけは事実上のマイナンバーカード強制であり、健康情報というきわめて重要な個人情報の漏洩やプライバシー侵害を引き起こす危険があります。断固反対します。

―――2021年3月から開始されたマイナンバーカードによるオンライン資格確認は、医療機関が金銭的・業務的負担を強いられ、被保険者が情報流出、カードの盗難・紛失、プライバシー侵害のリスクにさらされるなど多くの問題を抱えています。制度運用の中止・見直しを図るべきです。

医科でも歯科でも、国民に安全・安心の医療を保障するために

異常な高薬価構造にメスを入れます

 日本の医療費総額に占める薬剤費の比率は3割を超え、イギリス・フランスの約2倍、ドイツの1.3倍など、国際的にも突出した高水準となっています。

 こうした異常な高薬価がまかり通る最大の要因は、新薬価格の高騰と先発品薬価の高止まり、それを容認・促進する薬価制度(仕切価格制、新薬創出等加算など)にあるというのが医療団体の指摘です。新薬価格の算定原案を作成する、厚労省の「薬価算定組織」の議論がすべて非公開とされるなど、薬価の算定過程が国民の目から隠されていることも黙過できません。不透明なルールによる高薬価の問題は、医療保険財政を圧迫する重大要因となっており、その是正は避けられない課題となっています。

―――不合理・不透明な薬価制度やその根底にある政官業の癒着構造にメスを入れ、薬価構造を根本的に見直します。

―――高薬価の是正によって得られた財源を、医療の充実や患者の負担の軽減に振り向けます。

高額療養費制度を改善します

 低所得者や、治療が長期間にわたる患者の過重な医療費負担を軽減するため、高額療養費制度の改善を進めます。

―――高額療養費制度の所得区分をふやし、負担限度額の上限を、現役世代も高齢者も、通院も入院も大幅に引き下げます。負担額における「1%」の定率部分をなくします。

―――限度額の設定を"月ごと"から"治療ごと"にあらため、「治療が月をまたぐと高額療養費が適用されない」という矛盾を解決します。

―――世帯の所得区分ごとに年間をつうじた負担上限額を設け、「同一世帯でも、保険がちがうと医療費を合算できない」問題の解決を図ります。

―――現行では3疾患(血友病、HIV、人工透析の腎臓病)に限られている「高額長期疾病にかかわる高額療養費の支給特例」を拡大し、療養が長期にわたる場合に対応した「長期療養費給付制度(仮称)」を創設します。

―――対象が限定され、当事者が申請しないと適用されない、高額医療・介護合算制度を抜本に見直します。

無料低額診療への支援を進めます

―――医療機関が行う、無料低額診療への支援を強めます。薬剤費への制度適用を進めます。

子どもの医療費無料化を推進します

 子どもたちの命と健康を守り、子育てしやすい社会環境をつくるため、子どもの医療費の無料化を進めます。

―――国の制度で、18歳までの医療費無料化を実現します。

―――子ども、障害者・児、ひとり親家庭、妊産婦などへの医療費助成(現物給付)を実施する自治体に、国保の国庫負担削減のペナルティを科す「地単カット」を全面撤廃します。

障害者の医療費無料化を国の制度で

 重度心身障害者(児)医療費助成制度を、国の制度として確立します。身体障害者手帳のない難病・長期慢性疾患をふくむすべての障害者を対象にします。

 自治体が行う障害者・児の医療費無料化(現物給付)の取り組みに対する国保の国庫負担削減のペナルティ( 地単カット)を撤廃し、自治体の努力を推進・応援します。

診療報酬の改革を進めます

 診療報酬を「医療費削減」の道具にする政治を改め、抜本的な増額と改善を進めます。

―――医薬品・医療機器に偏った報酬評価のあり方を見直し、医療従事者の労働を適正に評価する診療報酬に改革し、医師・看護師などの労働条件の改善を進めます。

―――"安上がり医療"を狙った「包括払い(定額制)」の導入・拡大に反対し、「出来高払い」による給付を守ります。

―――初・再診料、入院基本料を適正に評価し、引き上げます。

―――高齢者の給付費削減や入院患者の"追い出し"を狙った報酬を撤廃します。

―――標準算定日数を超えたリハビリを「保険外併用療養」とする制限をやめ、保険適用の拡充を図ります。

―――人工透析「夜間・休日加算」を患者負担の軽減とともに適切な水準へ引き上げます。

出産一時金の引き上げと改善を行います

―――出産に要する費用の高騰に見合うよう、出産一時金の金額を大幅に引き上げます。

歯科医療の充実、国民の口腔の健康づくりを進めます

 国民の「口腔の健康」を守り、「保険でよい歯科治療」を実現するため、歯科の診療報酬の抜本的な増額と改革、歯科医療の充実にむけた支援を進めます。

―――コロナ禍で経営が悪化している歯科医療機関、歯科技工所などへの減収補填と財政支援を行います。

―――歯科の初・再診料の水準を抜本的に引き上げ、医科・歯科間格差を是正します。

―――歯周病の治療・管理や義歯に関わる包括的・成功報酬型の診療報酬を撤廃し、治療行為を適正に評価する報酬に改定します。画一的な文書提供業務の押しつけをやめさせます。

―――歯科医療への需要の高まりや、治療技術の進歩に対応し、保険治療の拡大と保険外治療の解消を図ります。

―――歯科衛生士の役割を、適正に評価する診療報酬にあらためます。

―――歯科技工士が仕事を継続でき、歯科医と連携して「よい入れ歯」を保険で給付できるよう、歯科技工物に対する診療報酬の改善を進めます。海外技工物の輸入・使用・安全性の実態を調査し、材料・製作者・技工所などの基準を設けて規制を行います。

―――金銀パラジウム合金の「逆ザヤ」による歯科医療機関の経営難を解消するため、金パラ合金に関わる診療報酬の抜本的な見直しを求めます。

―――歯科健診の充実など、国民の口腔の健康をまもる取り組みを国の責任で推進します。

医療の安全、患者の権利の確立

―――医療事故の検証を行う調査機関について、制度の改善を求めていきます。

―――産科医療補償制度の抜本的見直しを進めつつ、諸外国のような幅広い医療事故に対応できる無過失補償制度の創設をめざします。

―――患者の権利を明記し、医療行政全般に患者の声を反映する仕組みをつくる「医療基本法」の制定を進めます。

―――患者のための情報開示というニーズを満たさない一方、医療現場に負担を強いている、現行の「診療明細書の発行」を見直します。

がん対策の推進

―――「がん対策基本法」の主旨にのっとり、どこにいても必要な治療・検査を受けられる、医療体制の整備を図ります。

―――国の責任で、がんの専門医の配置や専門医療機関の設置を進め、所得や地域にかかわらず高度な治療・検査が受けられる体制を確立します。

―――未承認抗がん剤の治験の迅速化とすみやかな保険適用、研究予算の抜本増、専門医の育成、がん検診への国の支援の復活など、総合的がん対策を推進します。

―――窓口負担の引き下げ、「高額療養費の支給特例」の改善・拡充、公費助成の導入など、長期治療が必要ながん患者に、自己負担の心配なく給付を保障する制度の確立を急ぎます。

薬害・肝炎対策を進めます

 薬害(肝炎、MMRなど)の解決と被害者救済に全力をあげます。

―――血液製剤による薬害C型肝炎について、▽カルテのない被害者の救済困難、▽対象となる血液製剤の限定、▽先天性疾患の治療や"血液製剤以外の経路で感染した被害者"は救済対象から外される――などの問題点の改善を進めます。すべての被害者の一律救済を図り、製薬企業に謝罪・補償・再発防止を行わせるなど、全面解決への努力を続けます。

―――注射針の使いまわしなどによる薬害B型肝炎についても、救済のスピードアップや被害者の"線引き"解消を進めます。国の体制整備の遅れを打開し、すべての被害者の救済を図るとともに、差別・偏見解消の取り組みなど、全面解決にむけた努力を行います。

―――薬害肝炎原告・弁護団と国が結んだ「基本合意」、薬害肝炎検証委員会の『最終提言』にもとづき、薬害防止を目的に医薬品行政を監視する第三者機関の早期設置を求めます。

―――ウイルス性肝炎患者の治療推進と生活支援にむけ、肝炎対策基本法のさらなる充実、ウイルス性肝硬変・肝がん患者に対する医療費助成制度の早急な創設を求めます。

―――ウイルス性肝炎を「高額長期疾病にかかわる高額療養費の支給特例」の対象に追加し、患者負担を軽減します。「無料検査」の拡充、「肝疾患診療連携拠点病院」の整備、「肝炎情報センター」の機能拡充など、陽性患者の早期発見と治療に向けたフォローアップの施策を推進し、情報提供、研究体制の充実を図ります。

医療機関への消費税ゼロ税率適用、事業税非課税・租特法26条の存続

―――保険診療には「ゼロ税率」を適用し、医薬品などにかかった消費税が還付されるようにします。

―――社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を継続します。租税特別措置法第26条等に規定された、医療機関の概算控除の特例を存続させます。

救急医療の拡充

 救急医療の現場では、恒常的な体制逼迫のもと、出動件数の急増に隊員数の増加が追いつかず、患者の命が脅かされる状況が続いてきました。そうしたなかでコロナ危機が襲来し、コロナ患者の救命が間に合わず、通常医療の患者も犠牲になる事態につながりました。

―――救急・救命体制への国の補助を2倍にし、救急用病床を増強します。新しい国の補助制度をつくり、ICU病床(HCUを含む)の2倍化を図ります。

―――救急隊員の抜本増、ドクターヘリの充実、地域医療の再生とあわせた救急・搬送体制の整備・拡充を進めます。

―――国の責任で小児救急体制を整備し、新生児特定集中治療室(NICU)を増やします。

助産師・助産院への公的支援

 みんなが安心してお産のできる環境を確立し、助産院ならではの、喜びと満足のある質の高いお産を普及・発展させるため、国の支援を強化します。

―――助産師の養成数を増やし、助産院に対する公的支援を進めます。

―――助産院を地域の周産期医療ネットワークに位置づけ、「院内助産所」の設置をすすめるなど、助産師と産科医の連携を国の責任で推進します。

はり・きゅうの保険適用の改善を求める

―――「同意書」のあり方や対象疾病の範囲を再検討し、診療技術料の引き上げを行うなど、「はり・きゅう」の保険適用の改善・拡充を求めます。

在宅医療・介護における駐車問題の解決

―――在宅医療、訪問看護、訪問介護に従事する人たちが、業務中に駐車禁止で取締りを受ける不安を感じないで仕事ができるよう、柔軟で実態に応じた道交法上の配慮がなされるよう求めます。

政策