【談話】夫婦同姓 前例踏襲の「合憲」判断に抗議

日本共産党のジェンダー平等委員会の倉林明子責任者は23日、最高裁が夫婦別姓を認めない民法などの規定を「合憲」と判断した問題で、次の談話を発表しました。
 
 
最高裁大法廷は、民法、戸籍法が夫婦同姓を義務としていることについて、「合憲」とする決定を示しました。2015年の大法廷の「合憲」判決以後、選択的夫婦別姓制度の導入に賛成する国民は増え続け、地方議会でも意見書が多数上がるなど世論と運動の高まりがありました。にもかかわらず、旧態依然、前例踏襲の司法判断となりました。選択的夫婦別姓制度の導入を強く求めてきた党として、厳しい抗議の意を表明します。
 
氏名は個人の人格の象徴です。それを変えることには、さまざまな不利益や、精神的な苦痛が伴います。婚姻すれば、どちらかが改姓を迫られる現行法下では、意に反して氏を変更するか、それとも婚姻をあきらめるかの選択が迫られます。憲法で定められた個人の尊重、幸福追求権、当事者の自由な意思決定に、現行法が制約となっていることは明らかです。
 
夫婦同姓の強制は、戦前の「家制度」の名残です。改姓するのは現在も95%以上が女性であり、両性の平等に反しています。女性差別撤廃委員会からも繰り返し、規定の改正が勧告されています。
 
1996年には法制審が、選択的夫婦別姓制度の導入を含む民法改正を答申しましたが、以来、日本社会は足踏みを続けてきました。一番の障害は、古い「家制度」の価値観にしがみつく一部の政治勢力です。来たる総選挙が、事態を打開する最大のチャンスです。日本共産党は、市民と野党の共闘で、個人の尊厳とジェンダー平等を進める政権をつくるため、全力でたたかう決意です。
 
2021年6月23日
日本共産党ジェンダー平等委員会責任者
倉林 明子

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