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高市政権の患者負担増に怒り
国民を生かす気あるのか 広がる“白紙撤回を”

高市政権は、過去最大の9兆円の大軍拡や大企業支援のばらまきを進めながら、重い病気の患者負担を軽減する高額療養費制度の改悪を盛り込んだ2026年度予算案を衆院で強行通過させました。参院での審議が本格化しています。さらに解熱・鎮痛剤や抗アレルギー薬(77成分)のOTC類似薬を処方された患者に負担増を押しつける健康保険法改定案を国会に提出、来年3月の実施を狙っています。これに国民の怒りが広がり、高額療養費の負担増白紙撤回には27万人、OTC類似薬の追加負担反対には1カ月で6万人超の署名が集まっています。19日、全国保険医団体連合会が国会前で集会を開きます。(内藤真己子)

限度額引き上げ

高額療養費限度額引き上げ撤回、OTC類似薬の追加負担に反対の記者会見

会見する(右から)保団連の竹田智雄会長、水戸部さん、大藤さん、池田さん=12日、厚生労働省

「病気をしたら終わりという人生にならないよう、安心を提供するのが国の務めではないでしょうか」。ステージ4の肺腺がんで闘病中の水戸部ゆうこさんは、予算案の衆院通過を前に、記者会見(12日)でこう訴えました。8年前に発病し現在まで抗がん剤治療を続けています。「高額療養費がなければ生き続けることは不可能でした」

政府案では、低所得者も含めすべての所得層で負担限度額が引き上げられます。年収650万円~770万円の所得区分では現行の限度額月8万100円から2年後には11万400円と約3万円(38%)も増加します。負担増となる制度利用者(年1から3回の制度利用者)は最大で約660万人。全利用者823万人(外来特例を除く)の約8割に及びます。

高市首相は「セーフティーネット機能の強化と制度の持続可能性の維持を両立させる」との答弁を繰り返します。しかし「セーフティーネット」とされる新設の「年間上限」の対象者は約50万人と一部です。高校3年と中学3年の子を持つ水戸部さん。「限度額引き上げは、病気を抱えながら子育てする親たちにとても過酷です。子どもの教育費と自分の治療費をてんびんにかけるとしたら断然、教育費というのが親の気持ちです」と、白紙撤回を求めます。

政府は「保険料負担の軽減」を見直しの理由の一つにあげていました。しかし日本共産党の辰巳孝太郎衆院議員は予算委員会(6日)で、保険料の軽減は1人当たり月120円、OTC類似薬の患者負担増による軽減(同30円)と合わせても月約150円にすぎないことを明らかにさせました。「ペットボトル1本分ほどの保険料軽減と患者の命を引き換えにする大改悪だ」。辰巳議員の指摘はネットでも大きな反響が広がっています。

さらに政府は負担増に伴う受診行動の変化で、1070億円の給付費削減を予算案に盛り込んでいます。実際、保団連が実施した患者影響調査(回答数・1700人)では、限度額を引き上げた場合、約7割が「受診の間隔を延ばす」、約6割が「安価な薬や治療法に変更」と回答しています。さらに保団連の患者調査では、治療に伴い約半数が収入減となり、収入減少幅は、年収200万円~770万円の各所得区分で約3割にも上ることが明らかになりました。

保団連の本並省吾事務局次長はこうした調査を踏まえ語ります。「『受診抑制は想定していない』と上野賢一郎厚労相は答弁しますが、き弁です。受診抑制は1070億円にとどまらない可能性がある。9兆円の軍拡の一方、重病の患者に受診抑制させる。命を軽視する高市政権の危険性が表れています。白紙撤回しかない」と強調します。

現役を狙い撃ち

OTC類似薬の自己負担引き上げは、薬剤費の4分の1を保険給付から外し全額患者負担とします。現役世代(70歳未満)の場合、薬剤費の3割だった自己負担が実質5割になります。

都内在住の池田亮子さん(47)は夫と息子の家族3人が花粉症患者です。「国民の2人に1人がり患する花粉症。その患者を狙い撃ちにするもの。普通に生活するための治療を受けにくくする制度に強い不安を持っています」と抗議します。スギ花粉が飛散する1月から5月ごろにかけて、毎日抗アレルギー薬などを飲み続けなければ症状を抑えることはできません。

改悪されると服用している3種類が月当たり1507円の負担増になります。1シーズン(5カ月)で7535円、3人家族で総額2万2605円の負担増になります。池田さんは「仕事や勉強に影響が及ぶ、現役世代の患者が狙い撃ちを受ける」と訴えます。

大藤(だいとう)朋子さん(48)は、魚鱗癬(ぎょりんせん)という皮膚疾患の子どもを持つ母親です。昨年来、OTC類似薬の負担増反対の運動を進めてきました。今月オンラインアンケートを実施すると、5000人以上から切実な声が寄せられました。「OTC類似薬の負担増、高額療養費制度の改定を見ていると正直いってこの国は本当に国民を生かす気があるのかと感じます」(20代)などです。

「『政治家はどうかしている。こんなことのために投票したわけではない』との声もありました。高市さんに期待した人も『裏切られた』との思いを持っているのではないか」と語る大藤さん。「高市政権は『責任ある積極財政』で大企業や軍事費へのばらまきを進める一方、社会保障は高額療養費やOTC類似薬の負担増を押しつけ『緊縮』一本やりです。本当に不公平。軍拡をやめ、大企業と富裕層に公正に課税して負担増をやめさせるしかありません」と話します。