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【4月連載】子どもをつなぐ絵本たち(4)

かけがえのないわたし

2026年4月24日

 3学期のある日、絵本作家のスギヤマカナヨさんが、学校でワークショップをしてくださいました。スギヤマさんの本は、以前から何冊も楽しんでいたので、子どもたちは大喜び。

インフルエンザが流行する時期。欠席する子がいないことを祈りながら当日を迎えました。まず手始めに、『こえで からだで ゆびもじで やってみよう! あいうえお』(赤ちゃんとママ社)。声を出したり、体を動かしたりしながら、子どもたちの心も体もほぐれて、その場の雰囲気が柔らかくなっていきます。

ワークショップで使ったのは、森絵都『ぼくだけのこと』(スギヤマカナヨ/絵 偕成社)。スギヤマさんによる読み聞かせの後、主人公の「ようたくん」と同じように、「じぶんだけのこと」を見つけて、スギヤマさん特製のワークシートに書き込んでいきます。

「けん玉がとくい」「はみがきがきらい」「シールを集めてる」「ベトナム語で100まで数えられる」「好きな色はレインボー」等々。まだ1年生なのに、どんどん「じぶんだけのこと」を見つけていきます。

スギヤマさんは子どもたちのところを回りながら、声をかけてくれました。絵の描き方をアドバイスしたり、書くことが思い付かないと悩んでいる子に寄り添ったり、たわいもない話に付き合ってくれたり。どの子もとてもうれしそうで、笑顔いっぱいです。

自分が書いたことをみんなの前で発表したい子もたくさんいて、発表タイムは盛り上がりました。発表してもしなくてもよい、自由でわくわくする時間をみんなで楽しみました。

最後にスギヤマさんは、「誰一人同じ人間はいない。一人一人が『かけがえのない存在』なんだよ」と、このワークショップに込めた思いを子どもたちに伝えてくれました。

子どもたちは、自分を見つめ、「かけがえのないわたし」と出会えたことで、前より少し自信がついて、一歩前進できたようです。

「明日は何の本を読もうかな」

スギヤマカナヨさんが描いたイラスト

イラスト スギヤマカナヨ

(おわり)

公立小学校教員 牧野羊