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北海学園大学教授 川村雅則さん
知っておきたい「働くルール」

2026年4月8日【くらし】

入学おめでとうございます。多くの学生がアルバイトを始めることでしょう。でも、アルバイトをする際には注意してほしいことがあります。アルバイト生活や学生生活が充実したものになるよう、新入生に行っているアルバイトガイダンスの様子を、北海学園大学教授の川村雅則さんに書いてもらいました。

今日はアルバイトの話をするよ。中には、高校時代からアルバイトを経験している学生もいるだろうね。仕事を通じて仲間を得たり、自分の力でお金を稼いだりする経験は、とても刺激的で貴重なものだ。だからこそ、学業とアルバイトの両立にはくれぐれも注意を。

注意してほしいのはそれだけじゃない。「働くルール」のことだ。

いきなりクイズのようだが、みんなは、残業したときなど給与は何分単位でもらうか分かっているかな? 10分? 5分? 正解は1分単位だ。

「え、そーなんだー」

じゃあ、開店前の準備作業に給与は? そう、「支払われる」が正解だ。ちなみに制服への着替えにも給与は支払われる。

「えー、私払われてないよー」

他にも、午後10時以降の深夜労働には、25%以上の割り増しの支給が必要だ。しかしわれわれの調査では、こうしたルールが守られていない職場が少なくない。

みんなの法律

働く世界にはルールがある、ということを自覚して。最近は、勤務時間外にまで(!)SNSを通じてバイト先から指示が出され、それに従うのが当たり前だと思わされている学生が目立つ。

でも、それはおかしい。労働基準法とか労働組合法とかを、高校で習ったね?

「私、男女雇用機会均等法を覚えています!」

うんうん。ジェンダー平等を進める上でも欠かせない法律だね。

働く人を守るこういう法律を総称して、労働法やワークルールと呼ぶ。勘違いしないでほしいのは、これらは正社員だけを守るものではないということだ。アルバイトのみんなにも適用される。だから、例えば有給休暇を取得する権利もある。

「ユーキューキューカ?」

給与をもらって取得できる休みのことだ。

「俺、高校時代のバイトで取ってたよ」

「えー、すごい!」

働き始めるのに労働法を知らないのは、道路交通法を学ばずにクルマを運転するようなものじゃないかな。自分を守るために労働法をわがこととして知ってほしい。

契約結ぶ自覚

身だしなみについてはどうかな。働き始めた後に、髪は黒にしろとかネイル禁止とか言われたら、納得できるかな?

「うーん…」

身だしなみの制限には、仕事をする上での合理的な理由が必要だ。でも実際は、明確な理由もなく禁止されるケースも多い。そもそも働き始める際に、みんなは契約を結ぶ。勤務の期間や働く場所、労働時間や給与など大事な条件がそこで提示され、それに納得した上で「雇用契約」を結ぶ。

疑問に思ったら聞かなきゃだめだ。自分が契約を結ぶ主体だという自覚を持ってほしい。もちろん、契約に書いてあるからといってなんでも従わなければならないわけではない。例えば、ノルマ未達成の場合には自腹で買い取りとかミスをしたら罰金なんていうのは、ルール違反の契約だから無効だ。

声あげ変える

よく聞く不満の一つが、仕事ができるようになったのに時給が上がらない、つまり昇給がないことだ。これ自体はルール違反ではない。でも、労働法が定めているのは最低限のルールだ。理不尽だと思ったら、ちゃんと口にする必要がある。

「それはむずい!」

確かに。そんなことを一人では店長に言えないよね。だからこそ憲法や労働法では、労働者がみんなで発言をして職場を変えていくことを、権利として認めている。それが労働組合だ。実際に、労働組合で労働条件を改善している学生たちもいるんだ。調べてごらん。

最後に。みんなの中には、学費を稼ぐために長時間働かざるを得ない学生もいるはずだ。日本の学費は、国際的にみて非常に高い。それはなぜだと思う?

 

アルバイトを通じてみえてくる問題は、実は深い。そんな疑問もぜひ学びのテーマに取り上げてほしい。詳しくは、北海道労働情報NAVI(QRコード参照)で、私たちのゼミの取り組みを参考にしてみて。