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物語いっぱいの教室で 公立小学校教員 青山きいろ
(4)学校が大好きだ!

2026年3月27日【くらし】

3学期になり、2年生の残りの日数をみんなで数えました。あと30日しかないということを知って、あきとが「ぼくはずっと2組がいい! 3年生になっても、4年生になっても、大人になるまでずっとずっと2年2組がいい! ずーっとずーっとね、一生みんなと一緒にいたいんだ!」と言いました。みんなが「一生はむりだよー。もうすぐ3年生になるんだよ!」と笑います。

2年生になったばかりの頃、「みんな大嫌い」と言って教室を飛び出していったあきとが、2年生の終わりに「みんなが大好き」と言って別れを惜しんでいるのです。この言葉が、あきとにとって教室が心地よい居場所になっていたことを、表しているような気がしました。友達との関わりの中で、子どもが少しずつ心を開き、変わっていく。教師をしていてこんなにうれしいことはありません。

      イラスト なかねひかり

この年、私は別の学校に異動になりました。2年生になったばかりのころは暴力が絶えなかったさくや。1年を通して驚くほどあたたかく、優しい子へ変わったさくやです。

そんな彼が照れくさそうにやってきました。「先生、ぎゅっとしてほしい」。そう言って私に抱き付いてきました。みんなの前で、弱さや、甘える姿を、決して見せる子ではありませんでした。でも、それが彼の精いっぱいの別れのあいさつでした。

あれから、4年がたちました。あの時担任した子たちは、春から中学生になります。最近、健康診断のために行った病院で、さくやのお母さんと偶然再会しました。お母さんが「先生、2年生の時はありがとうございました。さくやは今でも、あの時は本当に楽しかったって話すんですよ…」と教えてくれました。

毎日、その瞬間は、とても忙しくて、大変で、苦しいことも、教師を辞めたくなることもたくさんありました。だけど、こんな話を聞くと、誰かの幸せな思い出の一部になれたことを心からうれしく思うのです。(おわり)