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- くらし家庭
- 2026.02.06
日本語教師をしています 日本語学校教員 南千尋(1) 日本語で日本語を教える
2026年2月6日【くらし】
「外国の人に日本語を教えるなんて、英語もできるのね」
知り合いに日本語教師を始めたと言うとそう言われることが多いが、実は日本語で日本語を教えている。手に鉛筆を持って見せながら「これは鉛筆です」。相手の鉛筆を指さして「それは鉛筆ですか」。文字も最初はひらがなから始める。
私が勤務する日本語学校には、外国の20歳前後の学生が通っている。彼らは2年間日本語学校で学習した後、日本で進学したり就職したりする。
最初は限られた日本語でやりとりするので、いろいろ工夫が必要だ。日本語を復唱してほしいときは、まず私を指して「言います」、学生を指して「言います」。通じると「はい、先生」と言って応じてくれる。学生の日本語量も少ないので、私に感謝の意を表すときには「先生、愛しています」と言ってくれることがあるが、なかなか恥ずかしい。

イラスト 山岡小麦
私のクラスの学生には、ネパール人もいる。ネパールはインドのすぐ北にあり、エベレストがある山岳地域で、学生たちは素朴で真面目だ。踊りが大好きで、地域や世代をこえた共通の踊りがあるようで、男女ともすぐに身体(からだ)を揺らしてリズムに乗って踊る。
帰りのホームルームの時によく「先生、今日は金曜日ですから踊ります」と言い出して(それが何曜日であっても)、みんなで共通の歌を歌い、手拍子をして踊り始める。そして私の手を取り、踊りに誘ってくれる。現在の日本では世代をこえて歌い踊る文化はあまりないと思うので、ネパールの若者をうらやましく思う。
つい先日は「今日は休み時間にネパール料理を作ります。先生も食べます(食べてくださいの意味)」と言い出して、手際よくチャトパテという料理を作ってくれた。(金曜掲載)

