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- くらし家庭
- 2026.02.03
被災地の子どもたちと 石川県公立小学校教員 松井良之
(4) 自分のこと話したい
2026年1月30日【くらし】
カードとボックスを送ってくれたヨシタケシンスケさんへの絵を描いている間も、私の所に来て、自分の好きなことを話す子は多かったです。やっぱりみんな自分のことを聞いてほしいのだなと感じました。
絵を描く時に注意や指示をしたことは、とくにありません。ヨシタケさんからのメッセージにあった「ひとりひとりがすきなもの、かっこいいとおもうもの、じぶんをたのしくさせてくれるもの」です。
ハグが好きなゲームのキャラを描いた女の子は、自分もハグが好き。「地震の時も、お母さんといっぱいハグしたんだよ」とうれしそうに話しました。
仮設住宅に入っている子は、ドラえもんと道具を描いていました。みんなで話し合っていると、どうやら地震直前の年末に見たドラえもんの映画がおもしろかったから、描いたそう。楽しかった以前の家のことを思い出したのでしょうか。

イラスト 黒助
お母さんを描いた女の子は「ママは、いつもぼくが悲しんでる時にやさしく、しゃべったりしてくれる」と。「みんなもそうなの?」と聞くと「ママが聞いてくれる!」という声が多かったです。ある子は「地震の時はお母さんいなかった。おじいちゃんとおばあちゃんといた。心配だった」と言いました。
恐竜が大好きな子は恐竜をいっぱい描きました。避難所に行って暇だったから、「家から恐竜のおもちゃをとってきて、ひたすら遊んでた」と言っていました。好きなものがストレス回避の場になっていたんだ、と改めて感じました。
この絵の交流は1時間では終わらず「いつするの? 明日?」という子がいるほど。自分のことを話せてうれしかった、という思いが強かったのでしょう。
地震から2年が過ぎました。コロナと地震の影響を大きく受けた1年生は、学習面でも生活面でもさまざまな経験不足を感じます。そんな子たちに、楽しく安心できる場所をつくっていきたいです。(おわり)

