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- 2025.11.20
2025学童保育研究集会(下)
障害ある子への理解 受け入れに何が必要
京都教育大学准教授 障害児教育専門 丸山啓史さんの話
2025年11月19日【くらし】
子を丸ごととらえて 包容力ある集団育む努力を
第60回全国学童保育研究集会は、9日にオンライン分科会が行われました。「障害のある子どもの理解と受け入れ」の分科会には、200人以上が参加。障害児教育が専門の丸山啓史さん(京都教育大学准教授)の話を紹介します。(二宮亜里)
「大学生の時に、ゆうやけ子どもクラブ(東京都小平市)に出合い、障害のある子のための放課後活動に参加しました」と、丸山さんが原点を紹介。放課後等デイサービスの制度ができる10年ほど前のことです。
実践の方向性は
学齢期の障害のある子どもに発達支援をする放課後等デイサービスの事業所、通所者は飛躍的に増加しています。同時に、保護者が労働等の理由により昼間、家庭にいない小学生の「生活の場」である学童保育(放課後児童クラブ)に在籍する障害のある子も増えています。
分科会では▽どういう観点で障害のある子どもを理解するか▽障害のある子の受け入れを進め、実践を豊かにするためには、どんな制度や仕組みが必要か▽障害者差別解消法で義務付けられた合理的配慮から、障害者差別を考える―の3点を中心に学び合いました。
せんべいが好きな、小1の自閉症の子。おやつの時にもっと食べたくて、職員が「もう無いよ」と言うと泣き出して周りの人にかみつこうとする―。丸山さんは、『みんなのねがい』(全国障害者問題研究会出版部)に掲載された、ゆうやけ子どもクラブでの実践を紹介しました。
職員がせんべいを探し、本人に空の袋を見せるなかで落ち着きました。「必ずうまくいく方法はなく、大事なのは、子どもの気持ちを受けとめることではないか」と丸山さん。
食べたい物を求めて自ら動く子どもの姿を「なかなかたくましい」ととらえた職員の記録から、「大切にされてきたのは、『子どもを丸ごととらえる』ということ。障害の特性だけに目を向けるのではなく、障害のあるこの子の好きなこと、興味のあること、生活環境などから考えると、実践の方向性が見えてくるのではないでしょうか」と提起しました。(続きは電子版で)
https://www.akahata-digital.press/article/article/20251114-0801

