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2026年11月8日

沖縄から憲法守り実践

全国首長九条の会「つどい」 玉城デニー氏の発言(要旨)

 「全国首長九条の会」の総会と市民のつどい(7日)での玉城デニー前沖縄県知事の発言の要旨は次の通りです。


 はいさい、ぐすーよーちゅううがなびら(皆さん、こんにちは)。9月の知事選では、全国の皆さんから物心両面、熱い応援をいただき、本当にありがとうございました。残念ながら結果を出せませんでしたが、これからも沖縄から平和に向けた情報や文化、経済などあらゆる物事の基盤が平和だということを伝えていければと考えています。

 さて、今こそ憲法を守っていこうという取り組みですが、沖縄に米軍基地がある限り、日本の、沖縄の戦後は終わっていないと言わざるを得ません。

 沖縄では、琉球王国が明治政府樹立後に強制的に琉球藩として編入され、その後、廃藩置県で沖縄県が設置されました。日本語教育に重きが置かれ、義務教育令が施行されました。県民を「日本人化」し、沖縄を日本の体制に組み入れていきました。さまざまな形で県民が戦争に参加させられ、太平洋戦争では県民の4人に1人が亡くなる痛手を受けました。

 戦後は27年間、米軍支配下に置かれ、米軍基地が本土から移ってきて、銃剣とブルドーザーで強制的に県民の土地が接収され基地建設がどんどんスタートしました。1950年代後半には、奪われた土地はわれわれのものだと「島ぐるみ闘争」という大規模な住民の行動が始まりました。

 沖縄では、いろいろな事件が起こると、そのつど県民大会を開き、何万人もの人たちが政府に対し声を上げ、保守であれ革新であれ県知事は米軍基地が過重に負担させられているがゆえの事件・事故に対し、強く怒りを発してきました。

 県民は1900年代から各地に移民し、世界には40万人ほどの県系人がいます。沖縄はこのネットワークを使って地域外交に積極的に取り組んできました。私が県知事だった2024年には県の地域外交の基本方針を定めました。

 太平洋戦争で沖縄はわが国で唯一、県民を総動員した地上戦の場となりました。それゆえに命(ぬち)どぅ宝(命こそ大切)、ゆいまーる(相互扶助)、ちむぐくる(見返りを求めない真心)など沖縄の心で世界中とつながり平和を充実していこうという別の視座から憲法を実践する取り組みが、この基本方針です。

 県は有識者でつくるさまざまな「万国津梁(しんりょう=架け橋)会議」を設置し、これまで計16の万国津梁会議から提言をいただきました。一つが県の地域外交の基本方針策定の提言で、もう一つが「恒久平和に貢献する沖縄ビジョン」策定の提言です。

 沖縄ビジョンは今年9月に策定したもので、先人から脈々と受け継がれてきた万国津梁の精神、沖縄の地理的特性を生かし、アジア・太平洋地域の緊張緩和と信頼醸成のために積極的な役割を担っていくことが目的です。世界中の地域と連携し、貧困、暴力、人権の抑圧、差別、環境破壊等から人間の尊厳ある生活を取り戻し維持するために、アジア・太平洋地域の平和への貢献を目指すものです。

 しかし今、沖縄県では1972年の本土復帰以降に生まれた20~50代が人口の半数を占め、日米同盟強化策のもと日米演習が繰り広げられ、南西シフトと呼ばれる自衛隊増強なども行われています。今こそ憲法への新たな認識と平和教育の重要性をしっかりと訴えていくことが重要です。

 沖縄を二度と戦場にしない記憶の継承と平和への未来志向―今こそ「全国首長九条の会」の方々と連携して日本国憲法が世界からどう見られているかを含め、沖縄からも地域外交を実践し、地域の独自の文化、歴史、理念などをお互いが交流することで相互発展させ基盤にしていく―これからも沖縄県がこの方向性で進めていくことを願ってやみません。これからも皆さんにさまざまな示唆に富む提言をいただきながら、しっかり頑張っていきたい。