(写真)質問する辰巳孝太郎議員=4日、衆院内閣委
日本共産党の辰巳孝太郎議員は4日の衆院内閣委員会で、警察官職務執行法(警職法)改定案について、警察が個人のスマートフォンなどのセキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性をついて情報を抜き取ることを可能にするものだとして、「国民全体の安全を脅かす」と追及しました。
改定案は匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)対策を名目に、警察がスマートフォンなどの通信端末から保存内容を遠隔で取得できる「遠隔解析」を導入する内容です。
脆弱性の悪用は、近年あいつぐ情報漏えいでも指摘されています。辰巳氏は、改定案のもととなった有識者会議の提言に、遠隔解析の手段について、「端末の脆弱性をつく」と記述があると指摘。遠隔解析とは「スパイウエア」を仕込んで情報を抜き取ることではないかとただしました。
葉梨康弘国家公安委員長は「具体的な内容を明らかにすれば犯人に対抗措置を講じられる。回答することは差し控える」などとし、否定しませんでした。
辰巳氏は、イスラエルの企業が開発したスパイウエアは市民やジャーナリストなどの弾圧や暗殺に使われ、日本も加わった国際会議での共同声明などで規制の強化が呼びかけられていると指摘しました。
辰巳氏は、政府が脆弱性を発見した場合、予防的措置を講じるために事業者などに伝えるという能動的サイバー防御法との矛盾を追及しました。
質問に対して「お答えすることはできない」と繰り返す葉梨氏に辰巳氏は、「警察が脆弱性を発見しても、都合の悪いものは伝えない、というなら整合性がとれなくなる」と指摘。発見された脆弱性への対策が講じられる前に行われる「ゼロデイ攻撃」が市民社会を脅かすなか、「改定案は政府や警察を、脆弱性の穴を埋め悪用を防止する立場から、利用し悪用する立場に立たせてしまう」と批判しました。
辰巳氏は、2017年に世界150カ国以上でサイバー攻撃を引き起こした事件では、米国家安全保障局(NSA)から流出した脆弱性悪用ツールが使用されたと指摘。「遠隔解析導入により日本でも現実に起こりうる危機だ」と強調しました。

