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2026年11月2日

日本共産党第30回大会議案 -世界と日本は-

新自由主義の行き詰まり
大株主栄え民細る 改定綱領案から考える

 日本共産党の綱領一部改定案は、第六節の日本独占資本主義の現状規定についても「この20年余の情勢の進展を踏まえた」修正・補強を行っています。経済面では「新自由主義の強行と深刻な行き詰まりを明記」したことです。日本の経済政策を振り返りつつ、その意味を考えてみます。


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(写真)大幅賃上げなどの要求を実現させようとデモ行進する中央集会参加者=3月5日、東京都千代田区

 改定綱領案は、日本独占資本主義が経済面で陥っている「激しい矛盾と危機」について、四つの特徴を明らかにしました。(1)もともと弱かった社会的ルールが1990年代以降の新自由主義の経済政策でいっそう弱体化させられた(2)大株主の目先の利益を最優先する企業経営(株主資本主義)が大企業で支配的になり、労働者と中小企業にコストカットを強いている(3)一握りの大企業と大株主・大資産家に富が一極集中するとともに、貧困と格差が拡大し、国民生活と日本経済が長期にわたって停滞・悪化している(4)これらの要因と世界資本主義の矛盾の深まりがあいまって、日本独占資本主義が激しい矛盾と危機、深刻な行き詰まりに直面している―ということです。

搾取の自由化

 社会的ルールの弱体化という(1)の事態が起きたのは、新自由主義が大企業による搾取の自由化をねらい、社会的ルールを邪魔者扱いするからです。労働法制の緩和や社会保障改悪、法人税率引き下げ、公共部門の民営化・営利化、独占禁止法制の後退などは、すべて大企業の利益率を引き上げるための政策です。

 日本では特に90年代のバブル崩壊後から現在まで、▽不安定・低賃金な労働者派遣の原則自由化▽定額働かせ放題の裁量労働制の拡大▽減り続ける公的年金への改悪▽介護利用者や患者の自己負担増▽病院・病床・保健所減らし▽生活保護費の切り下げ▽介護・保育・学校給食・図書館・上下水道への営利企業参入―など、新自由主義の経済政策が絶え間なく進められました。その結果、国民に貧困が広がり消費が低迷し経済が停滞すると同時に、大企業の利益が史上最大に膨らんでいます。

権力・富の集中

 株主優先経営の台頭という(2)の事態が起きたのは、新自由主義が大株主への権力と富の集中をねらい、金融・会社・会計制度を改変するからです。新自由主義の思想を世界に広めた経済学者のミルトン・フリードマンは「企業経営者の責任は、企業所有者(株主)の意向に従って事業を運営し、可能な限り利益を増やすことだ」(70年9月13日、米紙ニューヨーク・タイムズ)という「株主資本主義」の理論を唱えました。

 日本でも90年代半ば以降、金融「自由化」を中心とする新自由主義の経済政策が大展開され、株主の権力が抜本的に強められました。特に2012年末に発足した第2次安倍晋三政権以降、自民党政権が株主優先の「企業統治(コーポレートガバナンス)改革」を次々に実行し、「株主資本主義」型の大企業経営を支配的にしました。(年表)

 その結果、取引価格減額などの中小企業いじめや「黒字リストラ」が横行する一方で、株価つりあげのための自社株買いと株主配当が急増。25年度をみると、12年度比で増えた純利益の約8割が株主に回っています。社会的ルールを弱める新自由主義政策と、株主の権力を強める新自由主義政策があいまって、大企業の利益が膨張し、配当増額と株価高騰で大株主が丸もうけする仕組みです。増えた純利益からの株主「還元」を約3割に抑え、賃上げや設備投資にも使っていた1990年度以前と比較すれば、変化は明らかです(グラフ1、2)。こうして、一握りの大企業と大株主に富が一極集中する(3)のような経済構造がつくられたのです。

 世界規模で貧困と格差が広がり、資本主義の矛盾と危機が深まるという(4)の事態も、米国が日本を含む世界各国に新自由主義政策を押しつける中で起きたことです。近年、米国などの外資系投資ファンドが日本企業を支配し、さらなるコストカットと株主「還元」を求める動きが活発化しています。貧困と格差の拡大に拍車をかけかねません。改定綱領案は第六節のしめくくりでこう述べています。

 「対米従属と大企業・財界の横暴な支配を最大の特質とするこの体制は、日本国民の根本的な利益とのあいだに解決できない多くの矛盾をもっている。その矛盾は、二一世紀に入って、ますます重大で深刻なものとなりつつある」

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