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2026年11月2日

きょうの潮流

 2000年代に入りインターネットが普及されていく中で生まれた言葉があります。デジタル弱者。いまや高齢者を中心に情報の格差は広がるばかりです▼「デジタル専制主義の典型」。先日、都内に住む十数人が東京都を集団提訴しました。都が物価高対策で実施した「東京アプリ」のポイント付与は、法の下の平等を定めた憲法に反すると▼この事業は15歳以上の都民に1万1千円相当のポイントを付与するというもの。申請にはスマホやマイナンバーカードが必要ですが、持っていない原告は申請の段階から除かれ、経済的な損失や精神的な苦痛を受けたとしています▼実際、多くの高齢者や障害者らが申請できずにいます。最も平等でなければいけない行政の場で、不平等な環境に置かれるデジタル弱者の現実。内閣府の世論調査でも70歳以上の4割がスマホなどの情報通信機器を利用していないと答えています▼政府は「誰一人取り残されない人に優しいデジタル化」を掲げますが、利便性や効率の裏で詐欺や犯罪が横行。個人情報の漏えいや不正取引も相次ぎます。推し進めてきたマイナカードも情報の悪用や個人管理が懸念されています▼急速に進むデジタル化社会の中で置き去りにされる人びと。いまや情報格差は命やくらしの差にもつながっています。公共サービスを等しく受ける権利は誰にでもあるはず。スローガン倒れの国任せでは、人に冷たい社会が待っているだけです。