核兵器禁止条約が発効して5年余。核なき世界にむけた取り組みを検証する第1回再検討会議が11月末に国連本部で開かれます▼条約6条で定める被害者(被爆者と核実験被害者)の援助と汚染された環境回復が主題となります。結成70周年を迎えた日本被団協は、3人の代表団で会議にのぞみます▼「原爆のせいで、父も祖父も虫けらのように殺された。私たち家族は貧乏のどん底になった。戦争するな、核を使うなと世界の指導者に訴えたい」。代表団の一人、宮城県原爆被害者の会会長の木村緋紗子(ひさこ)さんの思いです▼父親は広島市堀川町で評判の開業医でした。家には自動車があり運転手とお手伝いがいました。あの日、父親を除く家族は爆心地から1・6キロの別荘で被爆。屋外にいた祖父は全身にやけどをおい、皮膚は垂れ下がっていました。全身やけどの父を見つけたのは、被爆から4日後。知り合いの病院のベッドで、赤鬼のような姿で息をひきとりました▼被爆から6日後に亡くなった祖父を看病した木村さん。ウジが全身にわき、なんともいいようのない臭いのなか、ピンセットでウジをとった記憶が忘れられません。「生き残った被爆者は、精神的・肉体的な後遺症に苦しみ続けます」▼結成70年の声明は呼びかけています。ふたたび被爆者をつくらないため、核兵器も戦争もない人間社会へ、「私たちは残されたいのちの限り訴え続けます。共にたたかってまいりましょう」。
2026年10月31日

