(写真)パネルを示して質問する辰巳孝太郎議員=28日、衆院財金委
日本共産党の辰巳孝太郎議員は28日の衆院財務金融委員会で、物価高による国民の生活苦への根本対策が必要だと主張し、食料品の消費税を2年間限定で8%から1%とする政府の「消費税・支援金法案」への日本共産党の対案を示しました。
低所得者ほど負担重い消費税 全品目減税で効果あり
消費減税を食料品に限定する理由を「迅速にでき、負担軽減を実感してもらえる」などと述べる片山さつき財務相に対し、辰巳氏は消費税が所得の低い人ほど負担率が上がる「逆進性」を示し、全品目の税率を下げなければ負担軽減にならないと強調しました。
低所得世帯の家計の例として辰巳氏が挙げたのは65歳以上で無職の夫婦2人世帯と単身世帯です。夫婦世帯で4万2434円、単身世帯で2万9980円の赤字で、いずれも食料品の支出は30%弱。「節約の余地が小さい低所得者家庭の生活を襲っているのは、飲食料品の値上げだけではない」と指摘しました。
辰巳氏に「一律5%の引き下げが必要ではないか」と迫られた片山財務相は「年金、医療、介護、少子化対策に影響が出かねない。財政的には簡単にできない」と答弁しました。
辰巳氏は、家計での税・社会保険料負担率が消費税導入前の1988年には所得が多いほど負担が重くなっていたのに対し、昨年には高所得層と低所得層で負担率が同等に近づいていることを指摘しました。「応能負担の原則が機能しなくなっている」と述べ、消費税増税を繰り返したことが中低所得者世帯の税・社会保険料の負担を引き上げてきた原因だと指摘しました。
片山氏は「消費税の逆進性は否定しない」としながらも、社会保障として受益しているので良いと強弁しました。
辰巳氏は勤労者世帯の年収別税負担率を示したグラフを提示。高所得者ほど家計に占める負担割合が低くなり、低所得者ほど消費税の負担が重いことを表しています。辰巳氏は「消費税全体の逆進性が強くて、これだけのゆがみが出ている。税負担の公平性をいちばんゆがめている」と指摘。法案では最低所得者への支援がないことを批判した上で、「逆進性のある消費税そのものを減税することが一番理にかなっている」と主張しました。
消費税一律5%減税の恒久財源
大企業優遇税制見直し
辰巳氏は、政府が「消費税は社会保障の財源」としていることに対して「法人税や所得税も貴重な財源だ」と指摘。賃金が伸びない中でも巨大な利益を上げている富裕層・大企業に対する税制優遇を見直し、消費税一律5%減税の恒久財源を確保する日本共産党の提案を紹介しました。
辰巳氏は大企業優遇の例として、企業が外国子会社から受け取る配当にかかる法人税を実質免除する「配当益金不算入制度」を示し、2024年度の外国子会社からの配当の非課税額の合計は約18・5兆円で、そのうち資本金100億円超の大企業の割合は83%だと指摘。「制度自体が大企業優遇であり、メスを入れるべきだ」と求めました。
片山財務相は「(企業に)人や設備に前向きに投資していただくことに期待をして政策を進めていく」と回答するにとどめ、辰巳氏は「大企業を減税しても賃金に回っていない結果がこれだ」と批判しました。
辰巳氏はさらに、「研究開発減税」による減税額の8割が大企業だと指摘。2022年度与党税制改正大綱は、企業に投資や賃上げを促すために法人税率の引き下げなど税制上の取り組みをしてきたが「意図した成果を上げてこなかった」と明記したことを強調し、「抜本的対策をしないまま、大企業が空前の大もうけをしている。ここに切り込んでいただきたい」と迫りました。
片山財務相は「大綱の認識はシェアしている。効果のないものは見直す方針だ。指摘をふまえてやっていく」と述べました。
辰巳氏は、日本共産党の提案をふまえた大企業・富裕層への公正な課税で、消費税一律5%減税のための恒久的な財源を生み出せると強調しました。
支援金制度
なぜ一部にだけ支給か
法案は、2027年4月に食料品の消費税率を1%とするとともに、一部しか対象とならない「就業者負担軽減支援金」を導入し、所得に応じた給付を行うとしています。最初の2年間は消費税1%相当分を支給し、29年度から支援金制度を本格導入する内容です。
辰巳氏は、支援金の支給範囲も金額も未定であり、対象者数が就業者の2000万人程度という参考値も審議が始まってから出されたものだと指摘。「審議に必要不可欠な制度の根幹に関わる情報を小出しにすることが許されるのか。なぜ対象者を出さないのか」と追及しました。
片山財務相は「最新データによる対象者数の推計を行う必要がある」として具体的な数字を答えず、辰巳氏は「本来はそういう分析をしてから法案を提出すべきだ」と批判しました。
辰巳氏は、過去5年間で消費者物価指数は約13%上昇し、食料品に限定すると24・1%も上がっていると指摘。27、28年度に消費税率1%相当額(年6000億円)を支援金対象者のみに給付することについて「1%分6000億円は国民全体のものなのに、なぜ一部にだけ支給するのか」とただしました。
支援金対象者が2000万人程度ならば、国民の約1億人が対象外になります。辰巳氏は「最も苦しい人たちへの支援がない」と批判し、大企業・富裕層への優遇をただして財源を確保し、消費税一律5%への減税を行うよう重ねて求めました。

