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2026年10月27日

きょうの潮流

 「女流棋士は将棋の普及をがんばりなさい」。年配のトップ棋士から、よく言われたといいます。先輩からは「トークをがんばりなさい」と。華として、聞き手としての存在に▼職業棋士の始まりは、およそ400年前の江戸時代にさかのぼります。対して、公式に女性のプロ制度が発足したのは1974年。歴史の差は歴然です▼もう一つは競技人口。現在の現役棋士は170人を超えますが、女流棋士は70人ほど。増えてきたとはいえ、すそ野の男女差も著しい。ある女流棋士が著書で語っています。「平等に戦う環境が整えば整うほど、性別の関係ない自身そのものの強さで闘うことができる」▼長く男性中心だった将棋界に初めて女性の棋士が誕生します。西山朋佳・女流四冠(31)。今月、女流最高峰とされる「白玲戦」で通算5期目のタイトルを獲得。昨年つくられた将棋連盟の規定により棋士になる権利を得ていました▼見合った実力があるのか、連盟の話題作り、下駄を履かせる行為…。権利の獲得後、SNSなどで中傷が相次ぎました。しかし西山さんは男性棋士との公式戦でも好成績を残しており、本紙が主催する新人王戦では2度もベスト8入り▼将棋界の新たな時代の幕開け。「もっと強い方と戦いたい、もっと上を目指す戦いをしてみたい」。女性棋士としての歴史と到達点をぬりかえる努力をする役割を担っている、と西山さん。その覚悟と挑戦にエールを送りたい。