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2026年10月26日

主張

9条改憲加速の危険
ごまかし許さぬ対話広げよう

 臨時国会が始まるもと、改憲問題が重大な局面にさしかかっています。

 高市早苗首相は昨年10月24日の所信表明演説で「任期中の改憲発議の実現」を明言しました。今年4月の自民党大会では「改正発議のめどが立った状態で来年の党大会を迎えたい」と発言。自民党は今月6日、党大会を来年2月21日に開くことを決めました。

 高市首相は5日の所信表明演説で「(憲法審査会での)党派を超えた建設的かつ活発な議論を強く期待」と強調しました。2月の施政方針演説に「強く」の文言はなく、改憲論議加速の意思がにじみます。来年2月までに「発議のめどを立てる」ために、改憲の条文起草委員会の設置を急ぐ狙いがあるとみられます。

 高市首相は、7月に改憲手続き法が改定されたことを、「(国民が)憲法改正について判断する環境整備が大きく前進した」と「歓迎」しました。同改定では、有料広告やネット利用の規制、資金の制限も最低投票率の規定もされず改憲派に有利なままです。

■緊急事態突破口に

 改憲の本丸は9条ですが、9条改憲先行では国民の抵抗や野党の反発が強いため、改憲勢力は緊急事態条項の推進で歩調をそろえています。特に「選挙困難事態」を想定した「議員任期延長」では、自民、維新、公明、国民、有志の会の5党・会派がすでに共同骨子案をまとめています。

 任期の切れた議員が居座り戦争状態の国家運営をはかる異常な態勢を構築するものです。その先には、内閣が緊急事態に権力を集中し「法律と同じ効力を持つ」政令(緊急政令)をつくる仕組みも狙われています。これらを入り口に、条文案作成へ突破をはかる危険があります。

 9条1、2項を残して自衛隊を明記する自民党の改憲条文案を巡る世論状況にも注意が必要です。世論調査では9条改憲に反対が多数である一方、戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を定めた1、2項を残して自衛隊を明記する案では賛成多数に逆転する結果が続いています。多くの人が、いまの9条に自衛隊を書き込むだけなら何も変わらないと考えていることを示します。

■無制限の海外派兵

 自民党も「これまでの憲法解釈は変わらない」としています。しかし、自民党改憲条文案を見ればごまかしは明白です。条文案は「前条(9条1、2項)の規定は…必要な自衛の措置を妨げず」と書いています。9条1、2項は残っても、「必要な自衛の措置」は何ら制約を受けません。

 「自衛」は国連憲章51条の個別・集団の自衛権を含みうるもので、従来、政府が言ってきた「専守防衛における必要最小限度」という活動の制限も消えます。明記される「自衛隊」には無制限の集団的自衛権、無制限の海外派兵の権限が与えられます。改憲反対の署名と対話を広げ、このごまかしを暴くことが急務です。

 大軍拡・9条改憲の動きに立ちはだかっているのは憲法9条それ自身です。大きく広がる戦争反対・9条守れのペンライトデモは9条と一体に高市政権に対峙(たいじ)しています。署名、対話を加速し改憲阻止の闘いを広げるときです。