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2026年10月26日

2年後大増税か一律減税か

消費税・支援金法案 山添政策委員長に聞く
飲食料品限定では悪影響

 飲食料品の消費税率を2年間限定で1%に引き下げる「消費税・支援金法案」が20日、衆院で審議入りしました。法案の問題点、物価高騰で厳しさを増す国民生活への支援策として何が必要か―。日本共産党の山添拓政策委員長に聞きました。(若林明)


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 「消費税・支援金法案」の大きな問題点は、2年後の増税を前提にしていることです。物価高対策としての「消費税減税」と言いながら、2年限定です。しかも、高市首相は2年後に「責任を持って元に戻す」と発言しています。2年後の景気の状況、物価高の状況、賃金、年金などがどうなっていようと、税率は1%から8%になります。過去5年間の食料品価格は、年平均で5・8%上昇しています。そのうえに消費税率を1%から8%に戻せば、大幅値上げとなり、結果として家計にとって大増税となります。

■支援は不十分

 同法案の飲食料品限定も問題です。飲食料品の値上げは確実に広がっています。一方、飲食料品だけでなく、イラン情勢に伴い、ナフサをはじめ石油関連製品など広範な商品の値段が上がっています。消費者にとって、飲食料品減税だけでは十分な支援になりません。

 さらに、農家にとって農産物は、出荷段階では食料品なので消費税が1%になりますが、生産段階で肥料や農機具の燃料などは、すべて10%です。差額の負担が生まれます。

 飲食店や外食産業はテークアウト1%、店内なら10%の消費税率です。外食離れが進むとの懸念があります。また、食料品の仕入れ金額は下がるはずだから、外食店の価格も下がるのは“当然”と消費者は期待していますが、飲食店もこれまでもギリギリでやってきています。物価上昇や賃上げのすべてを価格に転嫁することができているわけではありません。飲食料品の消費税が下がっても、販売価格を下げることは難しい状況があります。

 ところが、高市首相は「もし下げなければ、それは店の風評になります」と脅すのです。現場の実情を全く踏まえない発言です。高市首相は、農家や飲食店、外食産業への支援を言いますが、支援の内容が明確ではありません。

 減税対象を飲食料品に限定したことによる悪影響がこうした形で表れています。対象限定ではなく、全ての品目で一律で消費税率を下げることが必要であり有効です。それによって、複数税率の下で必要と政府が主張するインボイスの不合理もなくせます。

減税議論うやむやに
一律5%にしてこそ

 政府は2年後、飲食料品の消費税率を元に戻すとともに、「就業者負担軽減支援金」を支給するとしています。

 しかし、支給対象者の範囲や給付の規模を明確にしていません。ただ、アルバイトなどの低所得の就労者や、病気・障害などによって就労が困難な人が支援の対象外になることは、はっきりしています。高市首相が「参考」として示した支給対象者は、就業者の3割です。結局、「就業者負担軽減支援金」と言いながら、就業者のごく一部しか対象にならないことが想定されます。

 高市首相は「悲願」とした「食料品消費税率ゼロ」につじつまを合わせるために、飲食料品の消費税率を1%としている2年間は、消費税1%に相当する金額を「就業者負担軽減支援金」で支給するとしています。対象者などは不明ですが、1人につき年3万円と言われています。月2500円の支援金にしかすぎません。

■いびつな支援

 「就業者負担軽減支援金」は、物価高対策ではありません。今の国民の厳しい毎日の家計に対応するためのものではないにもかかわらず、高市政権は、消費税減税を「悲願」として掲げた公約を実行した形にみせたいために、また、野党の一部を取り込むために、負担軽減策を掲げざるを得ませんでした。そのため、2年間の減税を「つなぎ」と称して無理やり結びつけた、いびつな政策になっています。

 2年間で10兆円も使うのであれば、その分を給付すればいいと、一部野党から5万円、8万円など給付策の提案合戦になっています。これまで減税を求めてきたはずの政党までが、「減税は効果がない」と言い出すありさまです。10兆円を前提に何ができるかを考えることは、高市政権のいいかげんな財源論を認めるとともに、消費税減税という本論をどんどん後景に追いやってしまいます。

 消費税の2年間限定減税にするか、一時的な給付金にするかという、二者択一の議論や報道が目立ちます。肝心の消費税そのものの不合理をどう是正するかという議論が抜け落ちています。

■財源を示さず

 高市首相は「赤字国債には頼らない」といいながら財源を示さないままです。「ご心配には及びません」と極めて無責任です。

 財源を明確に示さないことは、「放漫財政」の批判を受け、円に対する信認を低下させます。国債への信認も低下させ、長期金利は上昇しています。円安を招き、円安に伴う物価高、金利の上昇に伴う融資の返済負担の増加という形で、むしろ、暮らしと生業(なりわい)を圧迫します。国家財政でいえば利払い費がどんどん増えます。日本経済に悪影響を及ぼします。

 しかも、高市政権は、国民の暮らしの支援には冷淡ですが、今後、二十数兆円に上るような大軍拡や官民投資で370兆円など軍事費と大企業支援に税金を投入することに熱心です。

 高市政権は、税制の一番のゆがみである消費税の不公平性には背を向け、大企業に対する法人税の減税をそのままにし、金融所得課税のような富裕層優遇税制を改めようとしません。税のゆがみを放置したままです。

 消費税は、所得の低い人ほど負担が重くなる不公平な税制です。だからこそ、消費税減税は物価高対策として有効であり必要です。同時に、不公平税制を正していくことは、公正な税制への転換とセットです。大企業や富裕層への課税強化とセットで考えるべきです。

■共産党の提案

 消費税の一律減税が必要です。全てのモノの値段を下げることは、消費者にとっても、生産者や飲食店などにとっても矛盾が最も小さくなります。そして、将来は、消費税を廃止すべきです。当面は、一律5%に全体を引き下げます。約16兆円の負担軽減です。その財源は「富める者に課税を」=タックス・ザ・リッチで確保すべきです。大企業への年間12兆円に上る法人税減税を改め、株のもうけなどにかかる金融所得課税の強化などです。そして、やはり、無謀で危険な大軍拡を中止すべきです。

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