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2026年10月23日

主張

日米共同統合演習
緊張高める軍事的威嚇やめよ

 自衛隊と米軍が2年に1度行う日米共同統合演習「キーン・ソード(鋭い剣)」が19日から29日の日程で始まりました。

 自衛隊約4万5千人、米軍約1万2千人の計約5万7千人が参加する過去最大規模の軍事演習です。計画されている演習内容を見れば、「台湾有事」を念頭に中国を軍事的にけん制、威嚇する狙いが明らかです。

■敵基地攻撃を訓練

 演習の最大の特徴は、自衛隊と米軍の最新鋭ミサイルが投入されることです。

 今年3月に陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本県)に初めて実戦配備された長射程ミサイル「25式地対艦誘導弾」による訓練が、実射は伴わないものの、同駐屯地や陸自大野原演習場(長崎県、佐賀県)で行われます。

 同ミサイルは射程約1千キロとされ、九州からでも中国大陸の沿岸部や台湾周辺の海域に届きます。敵基地攻撃能力を持った国産の長射程ミサイルが日米共同演習・訓練で使用されるのは、今回が初めてです。

 健軍駐屯地には日米の「共同調整所」が開設され、作戦の指揮も訓練します。事実上の日米共同の敵基地攻撃訓練です。

 米軍は、対中軍事戦略の最前線と位置付けている「第一列島線」(九州沖~与那国島)に最新鋭ミサイルを配備します。

 台湾から約110キロと国内で最も近い与那国島には、米海兵隊の地対艦ミサイル「ネメシス」と防空システム「マディス」が初めて持ち込まれます。ネメシスの射程は約200キロとされ、台湾周辺の広範囲を射程に収めます。

 これらのミサイルは、沖縄本島に配備されている第12海兵沿岸連隊が運用します。同連隊は、第一列島線に分散展開し、周辺海域の中国軍の艦船などを攻撃する米海兵隊の「遠征前進基地作戦」(EABO)の中核部隊です。

 石垣島には、米陸軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」が運び込まれます。ハイマースは、射程約300キロの地対地ミサイル「エイタクムス」も発射できます。

 与那国、石垣などの各島にも日米の共同調整所が設けられ、自衛隊も地対艦・地対空ミサイルを展開します。

 墜落など重大事故が絶えない米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイが宮古空港と石垣空港に飛来したのも重大です。宮古空港への飛来は初めてで、石垣空港への飛来も演習では初です。

■軍拡の悪循環招く

 高市早苗首相は昨年11月、台湾有事で米軍と中国軍が戦闘になった場合、安保法制発動の条件である「存立危機事態」になり得ると国会で答弁しました。

 これは、日本が攻撃されていなくても、自衛隊が米軍支援のために参戦することがあり得ることを認めたものです。中国の猛反発を呼び、日中関係は極度に悪化したままです。

 そうした下で、台湾有事を想定した軍事演習を行えば中国をさらに刺激するのは明白です。両国間の緊張を一層高め、軍拡の悪循環を加速させる演習は中止すべきです。