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2026年10月23日

マルクスの未来社会論 真の輝きが浮き彫りに

志位議長、『ゴータ綱領批判』について報告

 日本共産党の志位和夫議長を講師とする報告会「『ゴータ綱領批判』の『共産主義社会のより高い段階』論について」が22日、党本部で開かれました。マルクスの未来社会論を理論的・歴史的に掘り下げ、綱領一部改定案の全党討議に生かすことを目的としたものです。志位氏は、現代の資本主義が直面する熱い問題とも結びつけながら、マルクスの『ゴータ綱領批判』に示された未来社会論の真の輝きを浮き彫りにしました。報告会はユーチューブで全国に配信されました。


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(写真)志位和夫議長の報告を聞く人たち=22日、党本部

現代資本主義の労働、人間、社会の熱い問題と深いかかわりが

 志位氏は冒頭、「『共産主義のより高い段階』というと、遠い未来の話だと思うかもしれませんが、これは私たちがどういう社会をめざしているのかという問題にとどまらず、現代の資本主義における労働、人間、社会が直面している熱い問題と、深いかかわりがある問題でもあります。一定の時間をいただきますが、どうか最後までよろしくお願いいたします」とあいさつしました。

 その上で、今回の報告の目的は、人間の自由をあらゆる意味で豊かに保障し開花させることを未来社会の「最大の特徴・目的」と位置づけた綱領一部改定案の理論的背景を深く明らかにし、全党討論の素材を提供することにあると説明。マルクスの未来社会論の真の輝きを豊かに表現した『ゴータ綱領批判』を正面から受け止める「真剣な研究」の「第一歩」として行うと述べました。

「共産主義社会の高い段階」の包括的規定を詳しく解明

 報告はまず、綱領改定を提案した2003年の第7回中央委員会総会報告(「7中総報告」)に言及。「7中総報告」が、生産物の分配の仕方―「労働におうじて」の分配から、「必要におうじて」の分配への変化によって未来社会の発展段階を区分する「国際的な定説」を乗り越えた一方、マルクスが『ゴータ綱領批判』で行った共産主義社会の「二段階論」を「採用しなかった」と退けた問題点を丁寧に検証しました。

 その上で、『ゴータ綱領批判』に即して「共産主義社会のより高い段階」の内容を解明。(A)分業のもとへの諸個人の奴隷的な従属がなくなり(B)精神的労働と肉体的労働との対立がなくなり(C)労働そのものが生活の第一の欲求となり(D)協同組合的富のすべての源泉がいっそうあふれるほど湧きでるなど、マルクスが示した包括的な規定付けの一つひとつの内容について詳しく明らかにしました。

 その上で志位氏は、マルクスが述べた(A)~(D)の諸契機の全体を総括し、「人間の発展と社会の発展の好循環による『各個人の自由で全面的な発展』の豊かな開花という、未来社会の真の自由の輝きを表現しているのが、ここでのべられている『共産主義社会の高い段階』の包括的な規定付けではないでしょうか。そこをしっかりと読み取り、マルクスのこのテキストを、私たちの未来社会論をさらに豊かにするうえでの理論的な財産にしていくことが大切だと考えます」と語りました。

「自由な時間」の拡大とともに、分業を巡る問題の解決を生涯にわたって追究

 志位氏は、マルクスが若い時期から晩年の時期まで、「自由な時間」の拡大とともに、分業を巡る問題の解決を人間解放にとってのもう一つの重要な柱として、生涯にわたって追究してきたと強調し、次のように語りました。

 「現代日本の若者・労働者は、長時間労働に苦しみ『自由な時間』がほしいという切実な願いをもっています。同時に、自分の主体的な意思で仕事を選べない、自分の意思とはかかわりなく職場を移ることを強要されるという実態に不満と怒りをもち、『やりがいがある仕事を選びたい』という強い願いをもっています。マルクスが掲げる未来像は、現代の若者・労働者の心に深く響く力をもっているのではないでしょうか」

科学的社会主義の理論史にとっても歴史的意義

 さらに志位氏は、「2004年の綱領改定で『国際的な定説』の誤りはどこまで清算されたか」について報告。レーニンに由来し、スターリンが固定化した社会主義に関する「国際的な定説」は、(1)生産物の分配方式の違いで未来社会の発展段階を区分したこと(2)社会主義の問題を「必然性の国」―「物質的生産の領域」に局限し、その最大の輝きである「真の自由の国」の拡大を人類の未来史から切り捨ててしまったこと(3)未来社会では物質的生産力が飛躍的に発展するとしたこと(4)国家権力そのものが不必要になる社会を、共産主義が「高度に発展」した段階まで先のばしにしてしまったことなど、「その問題点は多層的だった」と指摘。今回の綱領一部改定案について、次のように強調しました。

 「改定綱領案は、『国際的な定説』の誤りを文字通り全面的に清算し、マルクス本来の未来社会論のすばらしさを、『ゴータ綱領批判』の読み解きも含めて明らかにしたものとなりました。それは日本共産党の歴史にとってだけでなく、科学的社会主義の理論史にとっても、文字通り歴史的意義を持つものとなったと言ってよいのではないでしょうか」

大きく、ダイナミックに発展しつつある党の探究の一断面における過渡的問題

 最後に志位氏は、04年の第23回党大会の綱領報告と結語では、不破哲三議長(当時)が、「人間の自由」を押し出した重要な表明を行ったことを紹介。「7中総報告」と現綱領に残された問題点は、「まさに大きく、ダイナミックに発展しつつある党の探究の一断面における過渡的な問題だった」と強調し、次のように報告を締めくくりました。

 「私たちは、不破さんが、2004年の党大会の結語でのべた、『この未来像の特質はなにか。一口に言えば、人間の自由、人間の解放であります』との言葉に励まされ、さらに不破さんのその後の理論的探究の到達点に学び、支えられ、若干の点をつけくわえて探究を前進させ、今回の綱領一部改定案の提案にまでたどりつくことができました。そのことを私たちの大先輩への心からの敬意と感謝を込めてのべ、この報告の結びの言葉とします」

 報告会の詳報は後日掲載し、全体は『前衛』12月号で発表される予定です。