衆参両院の予算委員会が19日までの4日間にわたり行われました。「アメリカいいなり」「財界・大企業優先」という自民党政治の歪(ゆが)みをただし、暮らしや平和を守る提案を示す日本共産党の論戦が光り、高市政権の無責任さと行き詰まりが明らかになりました。
くらし・経済
公正な税制提起
(写真)質問する辰巳孝太郎議員=14日、衆院予算委
政府は、物価高対策として2年限定で飲食料品の消費税を1%にし、2年後に「就業者負担軽減支援金」を本格導入する「消費税・支援金法案」の今国会での成立を目指しています。しかし、審議を通じ、物価高対策に逆行する危険がある無責任な政策であることが浮き彫りになりました。日本共産党は、公正な税制への改革を通じた消費税一律5%への減税こそ暮らしを守れると提案しました。
「2年後には大増税だ。物価高が続けば暮らしの破壊が避けられない」。日本共産党の辰巳孝太郎議員は14日の衆院予算委で、経済状況にかかわらず2年後に税率を1%から8%に「確実に戻す」とする高市早苗首相を批判。支援金の対象や規模も、対象外となる人への支援制度も不明だと指摘しました。
(写真)質問する山添拓議員=19日、参院予算委
日本共産党の山添拓議員は19日の参院予算委で、「赤字国債には頼らない」とするだけで消費税減税・支援金の具体的な財源を示さない政府を批判。消費税は一律5%に減税しインボイスも廃止するべきだと主張し、600兆円もの内部留保をため込んだ大企業や、富裕層への優遇税制を改め公正な税制に改革することが必要だと述べました。
住宅費の異常な高騰も家計をひっ迫させています。辰巳氏は原因の一つは実際の需要に基づかない投機的取引だと指摘。「住まいの保証は国の責任」だとし、投機的取引への対処や家賃負担が重い人への支援策などを提案しました。
山添氏は、「現役世代の負担軽減」を掲げ自民党と日本維新の会が連立合意した高市自維政権下で、健康保険料負担が重くなったと追及。今年度85%以上の自治体で国保料が値上げされた原因は、財政運営を市町村から都道府県に移し、自治体独自の保険料軽減措置を抑制した影響だと指摘し、公費負担で保険料を軽減するよう主張しました。
外交・安保
米国追従ただす
米軍普天間基地所属の海兵隊員が強盗殺人容疑で逮捕された事件(3日)を受け、高市首相は5日の所信表明演説で、米軍関係者の綱紀粛正や再発防止の徹底を求めたと説明しました。
14日の衆院予算委で辰巳氏は、重大事件が起きるたび同じ対応を繰り返しているだけだと批判。沖縄県によると、1972年の日本復帰から2025年まで、米軍構成員らの刑法犯の検挙件数は6409件で「3日に1件」の頻度だと強調しました。今回の事件の抗議集会で「国の安全保障という言葉の中でどれだけ沖縄の人が苦しみ命を奪われてきたのか」と訴えた女性の声を紹介。二度と事件を起こさないためにも、普天間基地の即時閉鎖・撤去と、米軍を特権的に扱う日米地位協定の抜本改定に取り組むべきだと求めました。
米国による国際刑事裁判所(ICC)への制裁指定に対しては、日本を含むICC締約国会議の議長団21カ国が10日、即時撤回を要求しました。19日の参院予算委で山添氏は、議長団としては撤回を求められるのに、なぜ直接トランプ米大統領に撤回を迫らないのかと追及。「法の支配」を重視する日本の立場を伝えているなどと曖昧に答弁する首相と茂木敏充外相に対し、日本の立場と相いれない態度は正面から批判すべきだと主張しました。
山添氏は、政府が安保3文書改定で狙う非核三原則見直しの背景には、戦術核の増強に踏み出したトランプ政権の核戦略があると指摘しました。米国の海洋発射の核巡航ミサイル(SLCM―N)の開発・配備計画を挙げ「米国の核戦略の変更に合わせ日本への核持ち込みを認めようとしている」と批判。核軍拡競争を止める立場こそ必要だと述べ、11月開催の核兵器禁止条約再検討会議への参加を求めました。
閣僚疑惑・政治とカネ
早くも大臣辞任
予算委の論戦で高市首相は、選挙で自身を支援しなかった地元自治体の道路予算を「カットした」と発言した簗(やな)和生農林水産相の事実上の更迭に追い込まれました。首相は13日の衆院予算委で、簗氏の発言を「ダサい」などと述べるなど事の重大さに無自覚な態度を示していました。
これに対し14日の同委で、辰巳氏が「ダサいとかいう問題ではない。国民全体の奉仕者である国会議員が自分を応援する自治体の予算を増やし、応援しないところは減額の報復をしようとした税金の私物化、買収そのものだ。大臣どころか議員の資格がない」と追及すると、首相は答えに窮し「納得いただけない説明しかできていない現状が残念でならない」と弁明。同日に日本共産党や立憲民主党など参院の野党全10会派が結束し、簗氏に対する問責決議案を提出する方針を決めたこともあり、簗氏の辞表提出に至りました。
簗氏同様、裏金議員でもある関芳弘文部科学相が衆院の内規に違反して議員会館内で政治資金パーティーを開いていた問題では、参院予算委で山添氏が追及。関氏をかばう首相に対し、山添氏は「反省がない」と厳しく批判しました。
辰巳、山添両氏は中司宏規制改革担当相の収賄疑惑を徹底追及。中司氏は、『週刊現代』が公開した金銭授受に関する音声について自身の声だと認めました(19日、山添氏への答弁)。
日本共産党の追及は、高市政権の「政治とカネ」をめぐる無反省・無責任ぶりを浮き彫りにしました。簗氏発言は民主主義の根幹に関わる問題です。関、中司両氏の問題とともに、徹底的な解明が必要です。

