「この制度自体が政治を矮小(わいしょう)化する側面があったことは事実」。自民党の幹事長だった加藤紘一氏は初の試みとなった選挙制度をそう評しました▼30年前のきょう、政治改革の名のもとで小選挙区制が導入された衆院選が初めて実施されました。弊害はさっそく。第1党となった自民党は5割増しの議席となり、過去最高の投票を得た共産党は“実力”の半分以下の議席にとどまりました▼死票は中選挙区制だった前回の倍以上に増え、民意との開きがあらわに。ところが自民党などから比例代表をなくしてしまおうとの声があがり、当時の不破委員長は民主主義を否定する暴論と断じました▼民意を映す比例の定数は2000年に20削られ、現在176。自民・維新はさらに45も減らそうと。これにはすべての野党が反対し、識者や市民からも「国会の多様性を切り捨てるもの」「削られるのは私たち」と批判が相次いでいます▼国会議員の削減に賛成する世論の背景には簗・前農水相のように政治を私物化したり、裏金などで私腹を肥やす議員への不信があります。さらに自分の声が国会に届かないことへのいら立ちも▼加藤氏は後に小選挙区制について「候補者の資質が劣化し、政治家が小型化した」と指摘しています。「身を切る改革」と削減を正当化する与党。小池書記局長は痛烈に批判しました。「政権与党が疑惑を隠し批判をかわし、国民に負担と痛みを押し付ける時の常とう句だ」
2026年10月20日

