高市早苗改造内閣が9月17日に発足して1カ月もたたないうちに、簗(やな)和生農林水産相が「予算カット発言」に対する国民の批判の高まりで辞任に追い込まれました。改造内閣には、簗氏以外にも疑惑を抱えた閣僚がいます。背景には、「政治とカネ」をめぐる問題に無反省な高市首相の姿勢があります。
疑惑のある閣僚の一人が、簗氏同様、裏金議員でありながら内閣改造で初入閣した関芳弘文部科学相です。
関氏は、自民党旧安倍派の政治資金パーティーの収入をめぐり836万円を裏金処理し、政治資金規正法違反容疑で刑事告発され、「起訴猶予」となっています。起訴猶予は、罪が証拠上認められるものの、検察が起訴を見送る処分で、罪を犯したことに代わりありません。
裏金議員が閣僚に起用されたのは、裏金事件後初めてでした。
■脱法的な寄付集め
関氏は、2020年と、24年に裏金事件で自民党の処分を受けた直後に、衆院議員会館内で政治資金パーティーを開いていました。衆院議院運営委員会が決めた議員会館の規則では、政治資金パーティーのような料金を取る催しは禁止されています。本紙が9日付と12日付でスクープし、関氏も開催したことを認めて謝罪しました。
20年のパーティーで得た収入は244万円、24年は81万円になります。国会議員は議員会館内の議員事務所や会議室を利用しても料金はかかりません。そのため、20年のパーティー開催費用はわずか4万6424円、24年は8万1957円にすぎません。パーティーの利益率は20年が98・1%、24年が90・0%と極めて高くなっています。
政治資金規正法はパーティーを「対価を徴収して行われる催物」としています。利益が非常に高率の場合、パーティーの会費(対価)に見合った催しとは言えません。事実上の献金に当たり、脱法的な寄付集めです。
関氏は、議員会館でパーティーを開いたことを「猛省」するなどとしていますが、パーティーの会費や参加人数などの具体的な実態を明らかにすることを拒否しています。やましいことがないなら、包み隠さず明らかにできるはずです。
■維新の大臣も疑惑
与党の日本維新の会から今回初めて入閣した中司宏規制改革担当相にも重大な疑惑があります。
中司氏は、枚方市長時代の談合事件で競売入札妨害罪に問われ、有罪が確定しています。本紙日曜版9月27日号は、同じ談合事件で収賄罪の実刑判決を受けた人物が、裏金(賄賂)の一部を中司氏に渡していたと著書で述べていることを暴露しました。
さらに『週刊現代』は、同事件で中司氏自身が裏金を受け取っていたことを認める音声記録を報じています。中司氏は「収賄罪に問われるようなことはしていない」と否定していますが、真相の解明が必要です。
疑惑を抱えた閣僚を任命した高市首相の責任は重大です。真相を調査し、国会と国民に明らかにすべきです。

