日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年10月15日

主張

米中「同盟国」
狼狽であらわ 高市外交の脆弱

 9月下旬の米中首脳会談で、トランプ米大統領と習近平中国国家主席が「第2次世界大戦で、米国と中国は同盟国だった」と話し合ったことが波紋をひろげています。

 メディアは、政府が「神経をとがらせている」(「読売」)、「警戒感を強める」(「日経」)などといっせいに報じました。高市早苗首相は急きょ、トランプ大統領と電話会談、記者団に「日本と米国は、今やもう最も信頼し合える同盟国になっていると申し上げた」と説明しました。

 米中が大戦中、同盟国であったという言明に狼狽(ろうばい)する日本政府の姿は、中国を敵視する一方、ともかく米国に媚(こ)び、しがみつきたいという高市首相の外交基盤の脆弱(ぜいじゃく)性を露(あら)わにしました。

■外交は情報戦か?

 トランプ大統領は大戦中、中国で日本軍と戦った米国人の義勇航空部隊を称賛、「力を合わせて戦争に勝利したように、習氏と私は今後も協力し続ける」と語りました。

 習主席は「中米両国は肩を並べてファシズムの侵略に立ち向かった」と応えました。

 米側が公表したファクトシートでも、大戦中の「米中同盟」が明記されました。

 高市首相は「台湾有事は存立危機事態」発言に固執し、まともな対中外交ができていません。そこに飛び込んだ米中首脳の発言は、米国だけを頼みに、米国の顔色をうかがいながら中国敵視政策をすすめる高市首相のはしごを外しあわてさせるものでした。

 いま政府は中国などを念頭に「他国による偽情報への対策など、情報戦対応を万全にする必要」(防衛省)を強調し、外交上の動きをもっぱら情報・宣伝戦(認知戦)から見る傾向が強まっています。 「高市首相の答弁が原因で日中関係が崩れたと言うのは中国の主張だ。認知戦に負けてはならない」(有村治子・自民党総務会長=当時)としているのもその例です。

 こうした空気のなかで、各紙社説がそろって首脳会談について「中国の対日批判の宣伝の場」(「読売」)、「中国の宣伝にお墨付きを与えた」(「毎日」)、「習政権の論法を受け入れた面があり、懸念を抱かざるを得ない」(「朝日」)などと評しています。

 メディアも、情報戦の視点からだけで対中外交を見るという異常で危険な状況に陥っていることが危惧されます。

■合意ふまえ対話を

 いま必要なのは、アジアの平和のためにも、緊張する日中関係を打開することです。

 中国に対して、覇権主義的な行動などをきびしく指摘するのは当然です。しかし、それは、あからさまに中国を仮想敵視し、軍事力を強化することではありません。

 日中両国には、共同声明などで確認されてきた「協力のパートナー」「互いに脅威にならない」という合意があり、これらを基礎に対話すべきです。トランプ大統領が中国に取り込まれたのでは、と汲々(きゅうきゅう)とするのでなく、高市首相は「台湾」発言を撤回し、日中関係を再構築すべきです。

 「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」(高市首相)などの大言壮語がむなしく響くだけです。