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2026年10月15日

きょうの潮流

 「これは巧妙な談合ですね」。マンションの大規模修繕工事での業者選び。管理組合が依頼した建築士の指摘に言葉を失いました▼10年ほど前のことです。記者の住むマンションで業者を公募。8社が入札に参加しましたが、各社の見積書を並べると、きれいに2%刻みで金額が上昇していました。書類に共通の誤りがあるなど談合の痕跡がほかにも。「こんな悪質なのは初めて」と建築士。専門知識がない管理組合だけで見抜くのは不可能だったと今でも思います▼9月末、公正取引委員会が関東のマンションの大規模修繕工事で談合を繰り返したと、工事会社など42社を摘発しました▼深刻なのはその手口。管理組合を支援するはずの設計コンサルタント2社が工事業者と癒着し、差配していたからです。コンサルが管理組合と業者双方から甘い汁を吸い、業者も安泰の構図。管理会社がコンサルとつながり、住民を誘導するケースも▼結果、住民は割高な工事費を背負わされます。記者のところでは約3千万円もの過剰な支出を強いられるところでした▼摘発は氷山の一角といわれます。談合発覚時にコンサルや業者に違約金を支払わせる契約を結ぶなど、管理組合側の自衛策もあるようです。しかし、それだけで十分とは思えません。分譲マンション居住者は全国約1600万人。このままでは一体、どれだけの人々が不利益を被るのか。国や行政による実効ある再発防止策が不可欠です。