(写真)第30回党大会決議案の報告をする田村智子委員長=12日、党本部
日本共産党の田村智子委員長は12日、「第30回党大会決議案」の提案報告で、「最大の特徴は、綱領一部改定案と一体のものとなっていること」と述べ、提案報告をおこないました。
改定綱領案には全党の奮闘と努力が結実している
第1章「改定綱領案を力に、日本を変え、世界に働きかけ、党をつくろう」は、決議案の「エッセンス」とも言える章であり、改定綱領案の中心的内容を端的に示しています。そのうえで、この改定綱領案には、第29回党大会期の全党の奮闘と努力が結実しているとして2点あげました。
第一に、第29回党大会決定と、それにもとづく「自由な時間」を軸としたマルクスの未来社会論に光を当てた理論的探求の学習・対話運動です。『Q&A共産主義と自由』(青本)、『Q&Aいま「資本論」がおもしろい』(赤本)の学習は、全国で約8500の党支部に広がり、党員ではない労働者や学生も参加する、かつてない学習運動となっています。この中で資本主義の矛盾を日常の生活と労働のなかでつかむ、まったく新しい学びが発展し、多くの人々の心に響くことが示されています。
第二に、日本社会の現状規定と民主的改革について、全党のたたかいが盛り込まれていることです。日米一体で進められている「戦争国家」づくりの現状について改定綱領案は、「軍国主義の全面的復活の危険が生まれており、憲法第9条の改定をはじめとする憲法改悪は、その最大の焦点となっている」と規定しています。党が一貫して安保法制廃止を掲げ、大軍拡と9条改憲に立ち向かってきたからこそ、ここまでの強い警鐘を鳴らし、“闘争宣言”を行うことができると強調しました。また、暮らしと経済の問題では、新自由主義の経済政策が押しつけられたことにより、もともと弱かった社会的ルールがいっそう弱体化させられ、「一握りの大企業と大株主・大資産家への富の一極集中をつくりだす」という新たな現状規定が行われていますが、これは「富の一極集中をただし、働くものが生み出す富を、労働者と国民の手に」という、この間の全党の訴えを踏まえ、綱領の規定にしようというものです。
第1章は最後に「歴史的な綱領一部改定をやりとげ、改定綱領案を力に、日本の民主的改革の新たなたたかいに挑戦し、世界に働きかけ、つよく大きな党をつくろう」とよびかけています。田村氏は、改定綱領案パンフレットを活用し、「綱領で入党をよびかけよう」と提起しました。
激動の世界--大逆流とこれに対抗する力の躍動、日本共産党の働きかけ
決議案第2章は、激動する世界と党の働きかけについてです。今、世界ではトランプ米政権をはじめとする「力による支配」という大逆流が起こり、国連憲章と国際法の形骸化を許すのか、平和の国際秩序を確立するのかの重大な岐路に立っています。他方で、逆流に抗する未来ある流れが躍動し、その流れに、日本共産党が連帯し働きかけていることが、この章で生き生きと述べられています。なかでも、資本主義の“総本山”とみなされ、世界に軍事基地を張りめぐらせる、世界で唯一最大の帝国主義の国、アメリカの心臓部で「アメリカ民主的社会主義者」(DSA)が政治的・組織的に躍進し、日本共産党との連帯の関係を確立したことの意義を強調しています。
さらに、改定綱領案を踏まえて、気候危機とAI(人工知能)について、人類生存の危機に科学の力で立ち向かうことをあげました。気候危機は「前例のない行動」を起こせば、まだ間にあうが、必要な行動をとらなければ手遅れになるという現状を科学的にとらえ、CO2排出実質ゼロの緊急対応とともに、大災厄の原因である資本主義を続けてよいかを問いかけていくことをよびかけています。AIについても、科学的社会主義の立場でとらえ、人類にとってプラスとともにマイナスをもたらす、「人間の知性・脳の働きの代替」という、これまでの技術の発展にない質の異なる問題をもたらすとして、二つの重大な危険を指摘し、最先端AIの開発競争を一時停止・中止するために国際的な協定、AIの軍事的利用の禁止と民主的規制を提起しています。
国際連帯の最後に、「自由な時間」を軸とした未来社会論が、北米・欧州の研究者等と響きあっていることを紹介し、国際的な理論交流を強めることは、日本の社会変革の事業の前進の力となるとともに、世界の運動への貢献にもなりうるとして、さらに発展させると述べています。
自民党政治の「二つのゆがみ」をただし、新しい日本へ
決議案第3章は、自民党政治の「アメリカいいなり」「財界・大企業優先」という「二つのゆがみ」と国民の矛盾が限界点にあることを、改定綱領案を踏まえて明らかにし、国民とともに新しい日本を切りひらくたたかいを提起しています。
アメリカいいなりの「戦争国家づくり」について、憲法9条と両立しえない、日本の安全保障をかえって危うくする、軍事費の増大による暮らしと経済の破綻--という三つの点から明らかにし、「軍国主義の全面的復活」を許さず、「憲法9条守れ、大軍拡反対」の揺るがない国民多数派の結集をはかろうとよびかけています。
暮らしと経済では、新自由主義の害悪をとりはらい、国民の生活と権利を守る社会的ルールを確立し、人間としての豊かさが広がる社会に進むとして、七つの提案を行いました。(1)労働時間短縮=自由な生活時間の拡大と大幅賃上げを一体に、(2)「消費税減税」「タックス・ザ・リッチ」で、公正な税制に(3)財政の大改革で安心の社会保障・学ぶ権利の保障を(4)人間の生命・発達・尊厳を保障するケア労働の尊重(5)住宅・交通・災害などで「公共を取り戻そう」(6)中小企業、第1次産業の振興で地域経済の再生を(7)持続可能な社会へ--気候危機打開、AI開発と利用への公正な規制。
また、子どもの権利条約、ジェンダー平等社会の実現--とりわけ「性と生殖に関する健康と権利」(SRHR)の保障、差別・排外主義とのたたかいを列挙。新しい市民運動との連帯、緊急の要求の一致にもとづく国民との共同を広げるとともに、日米安保条約廃棄など政治革新への「三つの共同目標」を国民の中に広げることをよびかけました。
国政選挙・統一地方選挙での反転攻勢をはたそう
決議案第4章は、国政選挙・統一地方選挙で反転攻勢を果たす方針を示しています。
国政選挙では、衆院比例で「比例450万票、得票率7・5%以上」をめざし、比例ブロックごとの得票目標と議席目標を県・地区・支部まで徹底し、その実現を党活動全体の「軸」にすえることを強調し、2028年の参議院選挙の目標を明記しました。
統一地方選挙、中間選挙では、住民の要求を実現し、自治体本来の役割である「公共」を取り戻し、国政を前に動かす流れをつくることを提起しました。
選挙活動の「二つの大改革」として、「要求対話・要求アンケート」の経験を生かした「対話型・循環型」の新しい選挙活動と、SNSでは「つながるツール」としての活用など党ならではの発信を強めていくことをよびかけました。
改定綱領案を力に世代的継承を軸とした党建設を全党の力で躍進させよう
決議案第5章は、改定綱領案を力に、世代的継承を軸とした党建設についてです。このなかで党建設の歴史的発展段階を、党の104年の歴史を踏まえた「理論的到達」「政治的到達」「組織的到達」の三つの角度から示し、「たくさんの打開すべき困難はあるが、先人たちの努力を含め、これまで営々とつくり、維持してきたこれらの到達点を過少評価すべきではない」と力説。そのうえで“綱領で党をつくる”ことを提起し、第30回党大会期の「一大プロジェクト」として、改定綱領案の学習・対話・党勢拡大の大運動をよびかけ、まず、まず党大会に向けて党勢拡大の飛躍をつくることを強調しました。
世代的継承に全党の力を注ぐことを強調。(1)「二つのチャレンジ」(「要求対話・要求アンケート」と「赤本」「青本」「緑本」の学習・対話運動)(2)「集い」と「つながり名簿」(3)職場・労働者の中での党づくり(4)1万人の青年・学生党員と数万の民青--を重要な課題として提起しました。
「しんぶん赤旗」中心の党活動の発展方向として、紙を中心にしつつ、電子版とあわせて前進をと提起。配達・集金活動の困難をどう打開するかでは、支部で現状を共有し、担い手を増やすことに力を尽くすことを基本にしつつ、読者網を守り、読者とのつながりを維持・強化するためにあらゆる方法を積極的に追求するとして、日刊紙について(1)配達時間の柔軟な対応(2)配達の業者委託(3)電子版の活用--などをあげました。
党機関の活動改善と体制強化を図るとともに、支部・グループの「返事」で寄せられた要望、中間機関の現状と課題をふまえ、中央委員会の自己改革に惰性を排してとりくんでいくことを強調しました。

