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2026年10月12日

きょうの潮流

 今年のノーベル平和賞が示した確固たるメッセージでした。国際的なルールに基づく制度や機関を攻撃し、弱体化させる人たちへの▼受賞したのは南アフリカのナビ・ピレイさん。アパルトヘイト(人種隔離)政策下で差別されながら弁護士となり、ルワンダ国際刑事裁判所の所長や国連人権高等弁務官などを歴任。国家や指導者による犯罪を裁き、正義と平和の実現をめざし、国際刑事裁判所(ICC)の判事も務めました▼その発表の直後でした。トランプ米政権がICCを制裁対象に指定しました。米国内にあるICCの資産を凍結し、金融機関の利用や金融取引を停止。「資金源を断ちきる」ことで機能不全に追い込もうとしています▼これまで赤根智子所長や判事ら個人に制裁を科してきましたが、組織としてのICCを対象にしたことで一段と圧力を。これには国連をはじめ各国の政府もすぐさま批判、脅迫には屈しないとしたICCを支持する声が相次いでいます▼日本を含めた8カ国の外相は制裁に強く反対するとの共同声明を出し、米国を除くG7が名を連ねました。国際機関を敵視し、国際社会から孤立していくトランプ政権の姿がうきぼりになっています▼ピレイさんは「最も望まないのはICCへの攻撃のように、ならず者国家が勝手に行動することだ」と非難。世界にこう呼びかけました。「いまこそ法の支配と独立した裁判所、国際法の秩序を守るため結束すべきだ」