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2026年10月11日

きょうの潮流

 秋の味覚の代表といえばマツタケです。昨年は不作でしたが、雨が多かった今年は一転豊作だといいます。先日、長野県の山を訪れた際にも、そんな話を聞きました▼「キノコの王様」と呼ばれるだけあり、その存在感は群を抜いています。かさの大きさや柄の太さは出始めの幼菌でも目立ちます▼おいしいキノコは他にもあります。カラマツ林に出るハナイグチはさまざまな地方名で呼ばれ人気があります。良い出汁(だし)が出るチチタケは栃木では郷土料理にも。それでも、大きさや希少性、知名度は別格でしょう▼マツタケは、やせた土地に育つ赤松の根に共生する菌根菌です。しかも、落ち葉が積もるなど栄養豊富な土では成長の速い微生物に負けてしまいます。生育条件の微妙なバランスが保たれて初めて発生するキノコなのです▼マツタケに限らず、キノコ類はやぶっぽくジメジメした場所より風通しや水はけがよい登山道の近くによく出る傾向があります。人の手が入らず、山が荒れてくると発生する種類が偏り、数も減ってきます。キノコなどの菌類は、山や森の豊かさを示す一つの指標になります▼山が荒れる原因は中山間地の人口減少です。それに温暖化が追い打ちをかけています。放置された里山は急速に草木が生い茂り、そこで大型野生動物が数を増やし、人間とのトラブルを引き起こす。多様なキノコを楽しむ環境を守っていくことは、私たちのくらしにもつながっています。