【ベルリン=吉本博美】ノーベル平和賞を受賞したナビ・ピレイ国際刑事裁判所(ICC)元裁判官(85)は9日、滞在先のドイツ・ニュルンベルクで記者会見しました。国際法と人権が重大な政治的危機にさらされる今、「国際法の秩序を守るために、私たちは一致団結しなければならない」と強調。各国の指導者に対し、国連憲章の理念を実践する法的義務を果たすべきだと求めました。
ピレイ氏は平和賞受賞について、「国際司法を実践し、擁護する全ての人にささげる」と述べ、謝意を表明しました。
ノーベル賞委員会が「国際法制度は、平和な世界をつくる前提条件だ」と強調したことに触れて、国際刑事司法を弱体化させようという試みは、長い年月をかけて築いた人類の進歩を危機にさらしていると指摘。法ではなく、力によって左右される世界へと逆戻りする危険があると危機感を示しました。
ピレイ氏は「後の世代を戦争の惨禍から救うために」と誓う国連憲章を引用し、「国際犯罪による全ての被害者と生存者、私たちの子ども、明日の世界を引き継ぐ人々のために、私たちは国連憲章に刻まれた約束を守らなければならない」と訴えました。
ICCへの制裁をする政府への見解を記者から問われたのに対し、ナビ氏は「最も望まないのはICCへの攻撃に見られるような、ならず者国家による独断的な行動だ」と指摘。自身の平和賞受賞が「世界が正義と人権保護をどれほど重視しているのかを示す、強いメッセージとなることを願う」と述べました。

