囲碁の第51期新人王戦(しんぶん赤旗主催)は、準決勝を終了し、決勝三番勝負は、後藤一・二段(19)対栁原咲輝二段(16)の対決となりました。両者の特徴、見どころを、本紙観戦記者の中村智佳子さんに寄稿してもらいました。
決勝三番勝負に進出したのは、関西総本部所属の後藤一・二段(19)と、東京本院所属の栁原咲輝二段(16)。
二段同士の決勝三番勝負は、41期(2016年)大西竜平二段(当時)―谷口徹二段(当時)以来、2回目。大西二段が連勝して新人王となったのは、16歳6カ月。史上最年少記録を更新した。
栁原は10月6日に16歳になったばかり。もしも優勝すると、新人王の最年少記録を6カ月更新することになる。
後藤は“二刀流”。関西の大学の2年生。今年の成績は、18勝9敗。棋聖戦のCリーグに入り、学業と両立している。
栁原は17勝22敗。これは公式戦の成績だが、栁原は成績に含まれない非公式戦の「イベロ・ジャパン杯」(17歳以下)で準優勝、9月20日に岩本薫記念益田杯(18歳以下かつ二段以下)で優勝と、10代限定の若手棋戦で着々と実績を積み上げている。
今期新人王戦のなかで印象に残る碁を問うと、後藤は「1回戦の田中健太郎二段との碁です。今までの手合のなかで、一番うまく打てました」。準々決勝で名人リーガーの桑原樹七段を破った碁ではなかった。
栁原は「準決勝の加藤千笑さんとの碁です。形勢が苦しい場面が多かったからです(1目半勝ち)」と答えた。
準決勝の3日前にも加藤千笑四段との国際棋戦の日本代表決定戦があり、勝って日本代表の一人に決定した。
10月1日、韓国で開催された新棋戦「2026 IBK企業銀行杯女子囲碁ワールドマスターズ」に出場した栁原は、1回戦で金恩持九段(韓国)と対戦、1目半負けの惜敗だった。蕭鈺洋新人王は「15歳で国際棋戦に出場とは、すごい。世界の女性トップに大善戦でした」と、観戦した感想を述べた。
13日に開幕する決勝三番勝負の抱負は、「全力を尽くします」(後藤)、「自分の実力を出し切れるように頑張ります」(栁原)。
得手不得手な分野は「一応、序盤は得意、終盤はやや不得意です」(後藤)、「得意な分野は、どちらかといえば終盤、序盤は苦手です」(栁原)と語る。蕭新人王から「栁原さんはヨセが得意。女性棋士のなかでは、藤沢里菜女流本因坊の次だと思います」という情報が寄せられた。
序盤研究の後藤か、後半戦の栁原か、注目である。
棋士と学業の“二刀流”
後藤一 二段
(写真)後藤一 二段
ごとう・はじむ
2007年8月5日生まれ。京都市出身。柳田朋哉氏に師事。2023年度入段。25年二段昇段。
国際棋戦でも大善戦
栁原咲輝 二段
(写真)栁原咲輝 二段
やなぎはら・さき
2010年10月6日生まれ。東京都出身。洪清泉四段門下。2023年度入段。25年二段昇段。第4回益田杯(26年)優勝。
■決勝三番勝負の日程
第1局 10月13日(火)
東京・日本棋院東京本院
第2局 10月27日(火)
大阪・日本棋院関西総本部
第3局 11月2日(月)
大阪・日本棋院関西総本部

