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2026年10月9日

「原潜保有」検討明記へ

安保3文書年内改定 実現は困難

 政府が年内にも行う安保3文書の改定で、原子力潜水艦の保有について調査・研究する方針を盛り込むことを検討していることが分かりました。政府関係者が8日までに明らかにしました。敵基地攻撃能力をもつ長射程ミサイルの搭載も想定しており、日本近海だけでなく遠方まで潜航し、中国の近海からの攻撃を可能にする狙いです。ただ、コストや技術面からみて実現は困難とみられ、防衛省・自衛隊内でも反対論が圧倒的だとされています。実際は、原潜保有論を繰り返し主張する与党・日本維新の会への配慮とみられます。

 米国の原潜では、寄港中に放射能が漏れて作業員が被ばくする事故が相次いでおり、艦内の原子炉が炉心溶融(メルトダウン)を起こせば甚大な被害が出る危険があります。建造・維持費は1兆円を超えるとされ、軍事費の膨張は必至です。また、通常の潜水艦よりも約2倍の乗組員が必要とされるため現場の体制もひっ迫します。

 原潜保有は「原子力の平和利用」を定めた原子力基本法にも反します。歴代政権は、同法について「(原子力を)自衛艦の推進力として使用することも現状認められない」(1965年の愛知揆一科学技術庁長官の国会答弁)とした見解を維持。一方、高市早苗首相は7日の衆院本会議で、「現時点で新しい動力の取り扱いについて決まってない」と述べるにとどめ、原潜導入を否定しませんでした。

 日本維新の会が6月、原潜を「早急に導入すべきだ」と提言。3文書改定に向けた政府の有識者会議でも導入論が出ています。また小泉進次郎防衛相は原潜保有について「タブーなく、決め打ちせず、議論すら認められないのは私の危機感とはずれている」(9月)などの発言を繰り返し、前のめりな姿勢を示しています。