(写真)会見で話す戸田弁護士(右)と福島さん(中央)、弁護団の多田晋作弁護士=7日、東京都内
未成年による選挙運動を禁じた公職選挙法の規定は若者の政治的表現の自由を侵害し、憲法に違反していると高校生ら4人が国に損害賠償を求めた裁判で、規定を違憲だと認めた一方、請求を退けた一審判決を不十分だとして原告が7日、東京高裁に控訴しました。
一審判決(9月25日、東京地裁)では選挙運動の自由は憲法21条1項が保障する政治的表現の自由として未成年者にも当然に保障されるとし、現在の公職選挙法の禁止規定は必要かつ合理的な規制とはいえない、と判断しました。一方で、未成年者を使用して選挙運動することを禁止することの必要性は高いとしました。
控訴後に都内で会見した戸田善恭弁護士は控訴理由について「未成年者本人の意志で選挙運動に参加したとしても現在の公職選挙法の“使用禁止”規定がある限り、受け入れる側の行為が『使用』にあたるおそれがあり、結果として未成年者の選挙運動参加への道は閉ざされてしまう」と説明しました。
また、判決で違憲とされた規定が70年以上にわたって放置されてきたにもかかわらず、国の賠償責任などが否定されたことも控訴の理由だと強調しました。
原告4人のうち、最年少の福島宏太さん(17)が初めて名前を公表し顔出しして会見に登壇しました。「一審判決はうれしかった。自分は間違ってなかったと思えた」と話し、今回、実名公表の後押しにもなったと言います。
福島さんが原告に加わったきっかけは中学生時代に困っている友人を親身になって解決しようと動いてくれた人が選挙に立候補したことでした。「応援したい」と手伝いを申し出たところ、未成年であることを理由に断られました。「子どもも社会の一員ではないのか、若者が政治に参加できる社会をつくりたい」と原告に加わりました。
控訴にあたって、もっと日本社会の中で若者の政治参加について議論を深めたい、と話しました。学校での主権者教育をもっと充実させたいと考えています。「自分の意志で裁判をしているのに、弁護士に利用されているなどの声がありました。私は真剣に向き合っています。政治や社会に対し声をあげることに冷笑的な空気があるけれど、この裁判をきっかけにどういう影響があるのか、考えるきっかけにしてほしい」と訴えました。
戸田さんは、まずは高裁で違憲判決を勝ち取りたいとしたうえで、現在の公職選挙法について、国会においても議論し、制度を変えてほしい、と呼びかけました。

