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2026年10月7日

主張

沖縄米兵強殺事件
県民の命奪う米軍基地なくせ

 沖縄で米軍基地あるが故の悲惨な事件がまた起きました。那覇市のホテルで3日に市内在住の女性(39)が殺害され財布などが奪われた事件で、沖縄県警は4日、米海兵隊上等兵の男(20)を強盗殺人容疑で逮捕しました。

 極めて残忍かつ凶悪な事件であり、高市早苗首相は5日、国会での所信表明演説で、日本政府として米側に強く抗議し、米軍関係者の「綱紀粛正」と事件の「再発防止」の徹底を求めたことを明らかにしました。

 「綱紀粛正」や「再発防止」は、これまでも米軍関係者による事件・事故が起こるたび繰り返し強調されてきました。しかし、事件・事故は一向になくなりません。

 今回の事件で在沖米軍トップのベンジャミン・ワトソン中将は沖縄県側の抗議に謝罪せず、県民の怒りを広げているのも重大です。

■綱紀粛正意味ない

 県によると、沖縄では1972年の日本復帰から2025年までの米軍構成員ら(軍人・軍属・家族)による刑法犯の検挙件数は6409件に上ります。このうち凶悪犯(殺人、強姦〈ごうかん〉など)は600件で約1割を占めます。

 近年でもウオーキング中の女性(20)が元海兵隊員で軍属の男に殺害される事件(16年)や、16歳に満たない少女が空軍兵に連れ去られ性的暴行を加えられる事件(23年)などが起きています。

 米軍構成員らの刑法犯検挙件数は最近、増加傾向にあり、25年は101件と03年以来の3桁になりました。

 今回の事件を受け地元紙が社説で「日米両政府が繰り返す言葉だけの『綱紀粛正』や『再発防止』は何の役にも立たない」(沖縄タイムス5日付)「県民の生命を守る上で『基地との共生』はあり得ない」(琉球新報同日付)と強調しているのは当然です。

 米軍関係者による刑法犯の検挙で最も多いのは海兵隊員による事件とされています。他国に侵攻する「殴り込み部隊」の海兵隊が米本土以外で唯一、沖縄に大規模に配備されているためです。

 事件の容疑者は海兵隊普天間基地所属です。日本政府は、普天間基地の「危険性除去」を口実に名護市辺野古への「移設」=新基地建設を強行しています。

 しかし、それは「危険性」を辺野古に移すだけです。事件・事故の危険をなくすには、沖縄からの海兵隊撤退、普天間基地をはじめとする米軍基地の撤去こそ必要です。

■地位協定の改定を

 日米地位協定は、米兵の公務外の事件で容疑者の身柄が米側にある場合、起訴まで日本側に引き渡さなくてよいと規定しています。

 1995年の海兵隊員らによる少女暴行事件を受け、凶悪犯に限り起訴前の身柄引き渡しに米側が「好意的考慮」を払うとする合意ができましたが、実際に引き渡すかどうかは米側の判断任せです。

 今回の事件では、日本側が米軍基地の外で容疑者を逮捕したため、身柄引き渡しの問題は起こっていません。しかし、米軍に治外法権的な特権を保障する地位協定が米兵犯罪の背景になっており、その抜本改定は待ったなしです。