基地あるがゆえの悲劇が繰り返されました。
3日未明、那覇市のホテルで39歳の女性が殺害され、財布などを奪われる事件が発生。4日未明、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属の海兵隊員が強盗殺人の容疑で沖縄県警に緊急逮捕されました。民間人の命や財産・尊厳を脅かす残忍な行為は、絶対に許されません。徹底的な真相解明が求められます。
沖縄県の資料などによれば、本土復帰の1972年5月以降に発生した米軍関係者による民間人の殺人は、今回で14件目となりました(表)。日本政府は国民の命と財産を守るための「抑止力」だとして沖縄への基地おしつけを正当化していますが、実態は米軍基地が県民の命も財産も奪っているのです。
本土復帰前の米軍占領下においては、米軍関係者が引き起こした事件・事故による死傷者数は、賠償の対象になっているだけで1986件、うち死亡は796件に達します。55年9月の幼女暴行殺人、59年6月の宮森小学校ジェット機墜落による児童・住民18人の死亡など、今なお語り継がれる悲惨な事件・事故が繰り返されてきました。
「綱紀粛正」 実効性なし
今回の事件は偶然起こったものではありません。沖縄県警の統計によれば、米軍関係者の刑法犯検挙件数は2021年から25年にかけて4年連続で増加。しかも、21年の41件から25年の101件と、2倍以上に激増しています。この間、米兵による女性暴行事件が相次いで発覚し、夜間外出の制限などが一時的に課されましたが、すぐに解除されています。日本政府も米軍任せの対応に終始し、「綱紀粛正」に何の実効性もなかったことが証明されました。
重大なのは、本土復帰後に発生した殺人14件中13件が、海兵隊員によるものだということです。他国侵攻=“殴り込み”の先兵として、「殺人マシン」に仕上げられる海兵隊員の残虐性は、もはや否定できない事実です。
また、14件中8件の犠牲者は女性です。近年は女性の犠牲が続いており、「フェミサイド(女性を対象とした殺人)」の様相も強まっています。
海兵隊撤退 かじを切れ
日本政府は「普天間基地の危険性除去」という口実の下、名護市辺野古への「移設」=新基地建設を推進してきました。先月13日の県知事選で当選した古謝玄太氏は、県政を「辺野古新基地反対」から「移設」容認に転換しました。今回の事件を受けて、古謝県政は基地から派生する事件・事故のリスクを、同じ県民である名護市民に押しつけるのか。厳しく問われることになります。
口先だけの「綱紀粛正」には、何の意味もありません。政府は破綻した辺野古新基地建設をただちに中止し、普天間基地の閉鎖・撤去、海兵隊撤退への対米交渉にかじを切るべきです。
(竹下岳)
沖縄県での米兵による民間人殺害事件(本土復帰後)
1972・ 8・ 2 宜野湾市で女性を殺害
9・20 ●キャンプ・ハンセン内で基地従業員を射殺
12・ 1 ●沖縄市で女性を殺害
74・10・23 ●名護市で女性経営者を強盗・殺害
82・ 3・ 8 ●金武町で男性をブロックで殴打・殺害
7・31 ●名護市で女性を暴行・殺害
83・ 2・23 ●キャンプ・ハンセンでタクシー運転手を殺害
85・ 1・16 ●金武町で男性を刺殺
91・ 6・14 ●沖縄市で男性を殺害
6・20 ●沖縄市でインド人男性を殺害
93・ 4・12 ●金武町で男性を殺害
95・ 5・10 ●宜野湾市で女性を殺害
2016・ 4・28 ●うるま市で女性を暴行・殺害
19・ 4・13 ●北谷町で交際していた女性を殺害し、自殺
26・10・ 3 ●那覇市で女性を強盗・殺害
●は海兵隊員または元海兵隊員による犯行
沖縄・本土復帰前の米軍関係事故
死亡 傷害
1945・8・15~52・4・27 574 630
52・4・28~72・5・14 222 560
総計 796 1190
(沖縄県資料から)

