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2026年10月5日

主張

データセンター問題
無秩序な建設に法的規制急務

 住宅地の中に突然、高さが10階建てマンションを超す、窓もない巨大な壁のような建物が出現する―住民に説明もないままデータセンター(DC)が建てられ「新たな公害」となっています。

 DCはAIなどの情報処理に必要な施設で、IT機器、それを冷やす空調設備、非常用発電機などを備えます。膨大な電力や水を必要とし、24時間稼働の大型室外機からの排熱による周辺気温上昇や騒音・低周波を引き起こします。

 AI開発競争が激化し、高市早苗政権がDCの増設と地方分散を推しすすめるなか、無秩序なDC建設が大都市圏だけでなく日本各地に広がり、景観や日照を妨げ周辺住民に圧迫感を与えています。

■適切な用途区分に

 非常用発電のための重油の地下貯蔵、大量のリチウムイオン電池による火災リスクも住民に不安を与え、建築確認取り消し訴訟も起きています。日本共産党の畑野君枝衆院議員が視察した千葉県柏市のDCでは、頻繁な非常用発電機の点検運転時に黒煙が上がり悪臭が漂うなど住民を苦しめています。

 無秩序な建設の規制が急がれます。しかし、DCは建築基準法の定義・用途区分がなく倉庫、事務所などとして扱われ、やすやすと建築確認が出される状況です。大量のCO2排出などにより環境に影響を与えますが、アセスメント(環境影響評価)法の対象にされていません。

 DCを建築基準法の用途区分に実態にふさわしく適切に位置づけて住宅地などとの混在を防ぐゾーニングや、アセスメント法の対象にする必要があります。

 畑野議員や山添拓参院議員は国会質問で、法制化を視野にDCを規制する国のルールづくりや、アセスメント法の対象にすることを求めました。しかし、政府は「新たな法的措置を要する事情は現時点では生じていない」(赤沢亮正経産相)と現状を無視し、事業者や自治体任せの姿勢に終始しています。

■情報開示ルールを

 DCは、街づくりや住環境、住民生活に大きな影響を与えます。適切な規制とともに住民合意が不可欠です。計画の早期の段階での住民への説明義務、情報開示のルールが必要です。

 日本のDC市場の多くを米国の巨大IT企業やシンガポールなどの外資系企業が占めます。現状は法制度の不備のため基本的な情報が開示されず、秘密保持を理由に開示を拒む事態も起きています。

 住宅地に隣接して三井不動産が建設をすすめている東京都日野市の巨大DCは、最高高さ80メートルを63・5メートルに変更したものの、ようやく公表した電力使用量は全市民の使用量の2倍を超す規模です。周囲への影響は必至ですが、住民が求める排熱量、気温への影響、CO2排出量などは「解析中」として明らかにしないまま1日、造成工事が着工されました。

 生活環境破壊のリスクを未然に防ぐために、DCにかかわる企業・投資家に対し国が調査・監督・指導を行うとともに、包括的な法規制による住民の生活と権利、環境を守る体制整備が急務です。