先の総選挙で有権者がいやでも目にしてしまうネット戦略で味をしめたのか。高市首相のために首相官邸の公式X(旧ツイッター)をせっせと更新する内閣広報官の佐伯耕三氏が『中央公論』でその狙いを語っています▼「メッセージを届けたいのは、(両極の)中間にいる日頃は政策にあまり関心を持っていない圧倒的多数」「注視しているのは『いいね』の数」「投稿がどれだけ見られたかという『ビュー数』ではありません」▼国民に伝える方法も多様化していると記者会見よりXを重用する首相。姿勢は予算案にも表れ、内閣広報室の来年度概算要求額は約72億円と今年度の10倍以上に。うち九割方を国内発信の強化に使う考えです▼官邸のXが投稿した熊本地震の現地視察動画は、首相がヘリコプターに乗り、上空から手を合わせる様子などをBGM入りで。まるで高市主役のPR動画と批判されました▼成長戦略を宣伝する官邸動画を見たフリーライターの武田砂鉄さんはラジオ番組で「一個、一個の動画にどれだけの税金が浪費されているのだろうと思ってしまう」。なんかやってくれそうという期待感を維持しようと「きちっと議論するよりも、広報戦略でお金(税金)を使ってPRしていく」手法だと▼Xでの一方的発信には熱心だが、国会質問や記者会見には消極的で厳しい質問から逃げまくる。首相がまずやるべきは、広報予算の10倍化より国民への説明を尽くすことです。
2026年10月5日

