(写真)取材で分かった現地情報隊の実態を報告する熊本日日新聞の植木泰士記者=2日、国会内
「陸上自衛隊『現地情報隊』の陰湿な個人情報収集活動の実態と問題点を考える」と題した集会が2日、国会内で開かれました。日本平和委員会が主催し、会場とオンラインで約200人が参加しました。
約1年をかけて現地情報隊の元隊員らに取材し、民間人を対象とする個人情報収集の実態を報じた熊本日日新聞の植木泰士記者が経過と真相を報告しました。
植木記者の取材によると、現地情報隊は大学教授などの「個人BSD(ベーシック・ソース・データ)報告書」を作成。調査対象者の連絡先や学歴、職歴などの基本情報に加え、体形、資産や負債、趣味、思想傾向、愛国心、性的嗜好(しこう)などの項目がありました。
植木記者は「飲酒」の項目に「どんなウイスキーが好きかも書いてあった」とし、隊員が身分を隠して民間人のプライバシー情報を集める中で「まさか自分の情報が抜き取られていたとは思わなかった」との声を聞いたと明かしました。
また、個人BSD報告書の内容が国家情報局に集まる懸念があるとして「巨大な権力の下支えになるのではないか」と警鐘を鳴らしました。
元東海大学教授の永山茂樹さんは、自衛隊が民間人のプライバシー情報を集める活動は「憲法違反だ」と指摘。高市早苗政権が「スパイ防止法」の制定を推進するなど「違法性を根底から覆してしまう政治状況がある」と述べ、自衛隊や公安警察が堂々と国民を監視する国になる危険性を示しました。
日本平和委員会の千坂純事務局長は「自衛隊が市民のプライバシーや思想を詳細に調査し、そのデータを積み重ねることは、国家権力による重大な犯罪行為だ」と強調しました。
日本共産党の山添拓政策委員長・参院議員と畑野君枝衆院議員が参加し、現地情報隊の問題を追及する決意を述べました。
現地情報隊 陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都、埼玉県)に拠点を置く中央情報隊の「対外情報部門」として、2007年に新設されました。自衛隊の海外活動で、現地の住民や協力者などから人的情報を集め、部隊に脅威を知らせることが本来の目的で、約50人の隊員で構成されています。熊本日日新聞が元隊員らの証言を報じ、日本国内での組織的な情報収集の実態が明らかになりました。対象者のプライバシーにも関わる41項目の情報を報告書に記載し、活動内容の違法性が問われています。

