「私たちは冷戦終結以来、最も危険な核の危機の中にある」―アントニオ・グテレス国連事務総長は9月29日、ニューヨークの国連本部で開かれた「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」のハイレベル会合で、これまでにもまして強い調子で訴えました。
■世界の本流は明瞭
「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」(9月26日)は、2013年の国連総会で、核兵器の人類に対する脅威と、その廃絶の必要性の世論喚起を、諸国政府と市民社会に呼びかけるために制定されたものです。その後、被爆者を先頭にした市民社会と諸国政府との共同は、核兵器禁止条約(採択17年)に結実しました。「国際デー」にあたって、この共同にこそ、世界の危機を乗りこえて前進する展望があることを思い起こしたいと思います。
戦争か平和かの重大な岐路にある今日、世界の本流がどこにあるかは明瞭です。今年の会合では、多くの国が危機感を共有し、核兵器廃絶を強く訴えました。その中心となったのは核兵器禁止条約の締約国です。ラテンアメリカ・カリブ海地域を代表して演説したウルグアイは、先のNPT(核不拡散条約)再検討会議が成果文書を採択できなかったこともふまえ、核保有国に「(核軍縮を義務づけた)NPT第6条の義務と再検討会議でなされた約束の順守」を強く求め、各国に禁止条約への参加を訴えました。
一方、最大の核保有国であるアメリカとロシアはこの会合をボイコットしました。中国代表は、自国の核兵器は「核戦争を抑止する上で不可欠だ」などと強調しました。
核保有国を包囲する新たなうねりをつくり出さなければなりません。グテレス事務総長が、11月に開かれる禁止条約の第1回再検討会議を「重要な節目」と歓迎するなど、多くの国が再検討会議への支持と期待を表明しました。
核兵器廃絶は、国連憲章の平和秩序と深く結びついています。ハイレベル会合でも「力による平和」に対し、国際法の順守を求める声があがりました。太平洋18カ国を代表したパラオは、「国際社会が国際法を順守する」ことを訴えました。イランは、「アメリカの違法な軍事攻撃は、国連憲章、国際法、国際人道法への明白な違反」だときびしく非難し、トランプ政権の脅威にさらされるキューバも「無節操な軍拡競争と『力による平和』という荒唐無稽な強圧」を批判しました。
■日本は役割果たせ
高市早苗首相は9月22日、国連総会で「核兵器のない世界」の取り組みを主導することは、「唯一の戦争被爆国であるわが国の使命」と述べました。ならば、「非核三原則」の見直しなどの逆行をやめ、核保有国に核兵器の廃棄を堂々と求めるべきです。
日本共産党は、日本政府が「核抑止力」論の呪縛をのりこえ、核兵器禁止条約に参加することを求めています。国連では被爆者や核実験被害者への支援、環境修復についての議論もはじまっています。来たるべき禁止条約の再検討会議に、日本は条約締結以前でもオブザーバーとして参加し、役割を果たすべきです。

