沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、2006~25年度の事業の支出額が約7835億円に上り、防衛省が示している総事業費9300億円の84%に達していることが、同省が日本共産党の田村智子委員長に提出した資料から分かりました。一方、土砂を投入する埋め立て工事の進捗(しんちょく)率は約17%(25年度末時点)で、大幅な追加支出は避けられない状況です。
(写真)新基地建設が強行される沖縄県名護市の辺野古・大浦湾=9月
新基地建設で投入された埋め立て土砂は計画総量の約2017万6000立方メートルのうち約351万立方メートルで約17・4%。このペースで続けば、埋め立てだけで40年以上かかります。
25年度の支出額のうち、埋め立て工事費が約1169億円で過去最大となりました。政府は25年1月に大浦湾側の軟弱地盤を改良する「砂くい」の打設を開始。今年3月末までに計約7590本を打ち込みましたが、進捗率は約10・7%にすぎず、完了までに単純計算で10年以上かかります。
政府は新基地建設の総経費を当初3500億円としていましたが、19年に軟弱地盤の改良工事に伴い、9300億円へと2・7倍に引き上げました。このうち埋め立て工事には7225億円を充てる計画ですが、既に約6113億円を支出し、見積もりの約85%に達しています。陸上部の施設を再配置するための「キャンプ・シュワブ再編成工事」には約1105億円が既に支出され、750億円の見積もりの1・5倍近くに達しています。
政府は26年度当初予算にも過去最大の約3373億円(契約ベース。同年度の歳出額は約708億円)を計上。見積もりを大幅に超過することは明らかです。沖縄県は新基地建設の総経費は約2兆5500億円にのぼると試算しています。小泉進次郎防衛相は29日の記者会見で見積もりについて「今後の検討等によって変更があり得る」としながら、「現時点では具体的に見直す段階にない」などと述べました。
そもそも、どれだけの金額をつぎ込んで工事を続けても海面下90メートルまで達している軟弱地盤の改良は技術的に不可能で、辺野古新基地は完成しません。
しかも、米国防総省は新基地が完成しても、日本側が別の「長い滑走路」を用意しなければ普天間基地は返還しないと表明。辺野古が普天間基地返還の「唯一の解決策」という口実は完全に破綻しています。
民意に反するばかりか、最悪の無駄な公共工事でもある辺野古新基地建設は直ちに中止し、普天間基地の無条件撤去に踏み切るべきです。

