ドイツの労働組合全国組織、ドイツ労働総同盟(DGB)が26日、メルツ政権が進める年金改革や8時間労働制の改悪に反対するデモをベルリンやハンブルク、ハノーバーなど全国15都市で実施し、17万5000人が参加しました。
DGBのファヒミ議長は西部エッセンで演説し、「改革とは、私たちの権利を侵害したり、社会保障を削減したり、私たちの人生をかけて築き上げてきた仕事の価値をおとしめたりするものであってはならない」と政府の「改革」を批判しました。
ドイツ経済は、自動車産業の大量解雇計画に象徴される深刻な危機に直面しており、メルツ政権は、大規模な軍拡とインフラ建設などを通じた経済へのてこ入れと引き換えに、社会保障費に大なたを振るう「改革」を打ち出しています。メルツ氏は、経済低迷の原因を「週4日の労働日ではこの国の繁栄を維持することはできない」などと述べ、労働者の反発をかってきました。
ベルリンのデモでは、「戦争ではなく社会福祉に資金を」「戦闘機ではなく保育所を」「われわれ労働者はメルツに怒っている」などのプラカードが並びました。
統一サービス産業労組(ベルディ)のウェルネケ議長は、フランクフルトの集会で、良質な雇用、充実した福祉国家、安定した年金は、「公正な社会と力強い経済の基盤だ」と訴えました。
9月初めに連邦政府が発表した2027年の予算案は、軍事費が1097億ユーロ(約19兆7500億円)と、26年の822億ユーロから約3分の1も増額。財源は、借金と増税、社会保障費の削減です。
左翼党のシュベルトナー共同党首は9月初めの時点で「まさに『バターより銃』の政策だ」と批判。国民生活が困難なこの時期に「年金や健康保険、住宅手当、育児手当などの連邦補助金を削減することは、政治的に破滅的な結果をもたらすだけでなく、国民の間にさらなる不安を生んでいる」と指摘していました。
その後行われた三つの州議会選挙では、二つの州で右派「ドイツのための選択肢」(AfD)が第1党に、ベルリン市(州と同格)議会選では左翼党が躍進して第1党となるなど、連邦政府の政策に対する有権者の強い批判が示されました。

