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2026年9月26日

主張

高市氏の国連演説
法の支配強調がむなしく響く

 国際刑事裁判所(ICC)は「ならず者」、イランが合意に応じなければ「地獄に突き落とす」、米国が経済封鎖をしているキューバは「崩壊する」…。トランプ米大統領の国連演説の一節です。それは、放言の限りを尽くした異様な演説でした。

 これに対し、高市早苗首相は同じ日の国連演説で、「法の支配の重視」を強調しました。ところが、「法の支配」などまったく眼中になく、「力の支配」に突き進む米国への批判は一切ありませんでした。首相の言う「法の支配」という言葉はただただ、むなしく響くだけでした。

■トランプ氏の放言

 トランプ大統領は22日の国連総会での一般討論演説で、米国が解体を求め、赤根智子所長らに対し「制裁」を科しているICCを「暴走する組織」「反米的な法廷」「邪悪な集団」とののしり、「全ての加盟国にこのならず者組織から直ちに正式に脱退するよう」に呼びかけました。

 米国の国連憲章違反の先制攻撃で始まったイラン戦争をめぐっては、イランが米国と合意を結び国を再建するのか、米国がイランを「速やかに滅亡させ」、「生き残るチャンスも未来の繁栄も次世代への望みも一切残さず、地獄に突き落とすのか」と述べ、イランを恫喝(どうかつ)しました。

 同じ一般討論演説で高市首相は「戦後の日本は平和国家として、いかなる紛争の解決においても法の支配を重視してきた」と述べました。ICCについては、国際司法裁判所、国際海洋法裁判所とともに名前を挙げ、これらの「国際裁判所を一貫して支持し、判事を輩出している」と強調しました。

 そうであるなら、なぜ赤根所長らを対象にした米国のICCへの「制裁」を批判し、各国にICCへの支持を呼びかけないのか。

 トランプ政権は今後、個人だけでなくICC本体への「制裁」も検討していると報じられています。

 高市首相は演説に先立つトランプ大統領との首脳会談で「ICCについて率直にやりとりを行った」(22日の記者会見)と述べました。しかし、内容についてはICCへの「制裁」に言及したかどうかさえ明かしませんでした。あまりにも及び腰です。

■自主・自立外交へ

 高市首相は演説で「力または威圧による一方的な現状変更の試みは、国連憲章に掲げられた原則に反するものであり、世界のどこであっても認めることはできない」と述べました。ところが、ロシアのウクライナ侵略は批判しても、米国による国際法違反のイラン攻撃には触れませんでした。

 首相は22日の日米首脳会談について「日米同盟の強さを世界に示すものになった」と誇り、「日米同盟をさらに揺るぎのないものにしていく覚悟だ」と表明しました(同日の記者会見)。

 トランプ大統領の無法ぶりを間近に見ても、「日米同盟絶対」の思考から一歩も抜け出せず、大統領への追従を続ける首相の卑屈な姿は目を覆うばかりです。平和憲法に基づく自主・自立の外交への転換が切実に求められます。