国連安保理は23日、人工知能(AI)と国際安全保障に関するハイレベル会合を開き、米国のアンソロピック、オープンAIなどの代表がリスクと国際的な基準づくりについて提言しました。「国際の平和と安全の維持」を任務とする安保理として、AIがもたらす危険に向き合う必要があるとの認識が強まるなか、米国はAIの国際規制への敵意をむき出しにしました。
会合は、フランスが招集を求め、バロ仏外相が議長を務めました。昨年結成された国連AI国際独立委員会のベンジオ共同議長は、AIが「人間なら犯罪となるような行動を取っている」と警告。「最も強力なAIを構築している企業が、自社の製品が壊滅的なリスクをもたらしていることを認めながら、信頼に足る技術的解決策を提示していない」ばかりか、AI競争から抜け出せないでいると指摘しました。
アンソロピックのアモデイ最高経営責任者(CEO)は、「不十分に管理されれば、AIは人類全体のリスクになり得る」と指摘しました。AIによる生物兵器開発の禁止など、国連加盟国すべてが一致できる合意づくりとともに、AIの悪用や制御喪失に関して評価・試験を行う世界的な共通基準を安保理主導で作るよう提案しました。
オープンAIのアルトマンCEOは、高度なAIが「われわれの制度より早く発展し、ごく一部の人に権力を集中させ、人々が理解も制御もできないような決定を行う可能性がある」として「極度の慎重さ」が必要だと述べました。
自律型AIによるサイバー攻撃を世界最初に報告したAI企業ハギング・フェイスのデラングCEOは、高度なAIの「非対称性」こそがリスクだと強調。攻撃者と防御者、一部の企業とその他すべて、一部の国とその他の諸国などの間に、AIを巡る極端な力の差が生まれることの危険性を指摘しました。
米国のホワイトハウス科学技術政策局のクラツィオス局長は、トランプ大統領がAIから言い換えるとした「スーパーインテリジェンス(超知能、SI)」の用語を使い、「この国際対話が世界的な管理へと逸脱することは許されない」と発言。「SIを管理しようとするグローバリストの計画を断固として拒否する」と述べました。
中国の傅聡(ふ・そう)国連大使は、「一部の大国」がデジタル覇権維持のためにAI技術を独占しようとしていると非難し、「われら対やつら(敵対味方)」という矮小(わいしょう)化を拒否すると述べました。「AIは全人類の共有財産であり、富裕国とその国民だけのものにしてはならない」とし、テック大企業は、責任を果たし、偽情報やヘイトスピーチを取り締まり、「自らを法に基づく規制と公衆の監督にゆだねるべきだ」と述べました。

