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2026年9月25日

きょうの潮流

 そこは昔、内陸に広がる古鬼怒湾(こきぬわん)、香取の海と呼ばれていました。その内海の一部が現在の印旛沼の前身です▼姿を大きく変えたのは徳川幕府の利根川東遷事業。東京湾に流れ込んでいた利根川を銚子から太平洋へ向かわせました。江戸を水害から守り東北や茨城からの舟運が目的でしたが、その結果、印旛沼は遊水地の役割をもち川が氾濫するたびに洪水被害を受けることになります▼くり返されてきた水害と治水。戦後になって干拓や開発事業が進められ、沼が二分されるなど洪水の長い歴史に終止符が打たれたかのように思われてきました。しかし今回の台風25号による大雨で堤防が決壊。広い範囲で冠水や浸水被害が発生しました▼印旛沼につながる高崎川が氾濫した千葉・佐倉市。3日たったきのう、川沿いの家の前には水にぬれて泥をかぶった家財道具がずらりと並べられていました。ホースで放水し自宅の床を洗っていた老夫婦は「ひどいありさま。30年以上ここに住んでいるが、こんなこと初めてだ」と▼印旛沼の周辺では、いまだに水が引かない住宅や田んぼ、道路が広がり、避難生活を強いられている地区も。各地で土砂災害も相次ぎ、11人が亡くなり行方不明者も出ています▼車や財産、築いてきた人生までも奪う大雨。被災者は経験したことのない恐怖と生活不安を口々に。水の国、日本。気候変動への対処とともに、前例のない事態に対応した治水対策が求められます。