【ベルリン=吉本博美】ドイツの首都圏ベルリン市議会選挙が20日に投開票され、最大争点の「住宅問題の解決」を大きく訴えた左翼党が第1党となりました。得票率は25・7%で、2023年の前回選挙比で13・4ポイント伸ばして47議席(25議席増)を獲得しました。メディアは「左翼党の明白な勝利」(公共放送ARD)と一斉に報じ、左翼党市長と革新市政の誕生する可能性があります。
各党の得票結果は、市政与党だったキリスト教民主同盟(CDU)が18・8%(前回比9・5ポイント減)で34議席、社会民主党(SPD)が12・1%(同6・3ポイント減)で22議席となり、両党が担う市政・国政への有権者の不満が浮き彫りとなりました。
そのほか緑の党が14・3%(同4・1ポイント減)で28議席、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は16・3%(同7・2ポイント増)で12議席となりました。左翼党、緑の党、SPDの3党連立を軸に連立交渉が進むとみられます。
今回の選挙は住宅問題、公共交通、移民・難民政策が主要争点でした。「ベルリンを再び住みやすい街に」と掲げた左翼党は、有権者との対話活動を大規模に展開し、支持を広げました。10~20代有権者の支持率は左翼党が首位でした。
左翼党の開票イベントでは、出口調査の発表とともに党員や支持者が歓喜しました。左翼党のエリフ・エラルプ筆頭(市長)候補は、「ベルリンをよりよい都市へと共に変えていこう」と訴え、「愛と正義が憎悪に勝利した」と述べました。
エラルプ氏は、トルコからの移民を両親に持つ移民2世で、人種差別反対や住宅問題の運動の先頭に立ってきた人権弁護士。米ニューヨーク市長選で当選した民主的社会主義者のマムダニ氏の手法にも学んで、選挙運動を展開しました。
第3党となった緑の党ベルリンのスタール共同代表は、左翼党とSPDと連立し革新市政を築くことへの意欲を表明。SPDのクラハ筆頭候補は「われわれは有権者から選ばれなかった。壊滅的な結果だ」と述べました。
CDUはベルリンだけでなく、同日投開票の東部メクレンブルク・フォアポンメルン州議会選挙でも大敗。メルツ首相の退陣を求める声が党内でも高まるなか、メルツ氏は「首相としてこの国を前に進めるために、改革を果たす」と述べ、辞任を否定しました。

