2024年10月の総選挙で、高市早苗首相をはじめ自民党の候補者217人が、みずから支部長を務める政党支部(選挙区支部)から国民の税金を原資とする政党助成金を自分あてに「寄付」していたことが、本紙の調べでわかりました。その“お手盛り”の総額は、なんと17億3000万円以上。物価高にあえぐ国民をよそに、自分の懐を温めていたのか―。(藤沢忠明)
自民党の小選挙区候補(比例重複含む)の選挙区支部が総務省に提出した「政党交付金使途等報告書」(24年分)を調べたもの。
「選挙関係費」の支出をみると、10月15日の公示日を前後して、支部長である本人あてに「寄付」名目で、500万円、800万円、1000万円と多額の支出をしています。
この“お手盛り”をしていたのは、確認できた265人のうち、8割を超す217人にのぼり、総額は17億3238万8998円でした。平均すると、798万円。
高市早苗首相(奈良2区)と自民党出身(衆院議員)の14人の閣僚のうち、首相と8人の閣僚の政党支部がみずからに「寄付」していました。最も多かったのは、法相に就任した山下貴司氏(岡山2区)で2000万円。公示直前の10月10日に受け取っていました。多くの政党支部が自民党本部から3300万円の政党助成金を受け取っていますが、約6割を自分に寄付したことになります。
ほかの閣僚は、茂木敏充外相(栃木5区)、上野賢一郎厚労相(滋賀2区)、細野豪志復興相(静岡5区)、政治資金を所管する藤井比早之総務相(兵庫4区)、葉梨康弘国家公安委員長(茨城3区)、笹川博義環境相(群馬3区)の6人が500万円、赤沢亮正経済産業相(鳥取2区)は300万円。
新たに国対委員長に登用された村井英樹元官房副長官(埼玉1区)は、947万円。
山下法相と並んで最多の2000万円を自分に寄付していたのは、ほかに塩崎彰久デジタル兼内閣府副大臣(愛媛1区)、野田聖子元内閣府特命担当相(岐阜1区)、国場幸之助元国土交通副大臣(沖縄1区)ら7人。
一方、高市首相は、公示後の10月18日、同25日に各200万円など7回に分けて計736万4487円を自分に寄付。このうち、最後の12月13日は7万4487円という端数で、党本部から受け取った3300万円をきっかり使い切った形です。
柴山昌彦元文部科学相(埼玉8区)も、4回に分け、計1050万9482円を自分に寄付、3300万円を使い切りました。
政党助成金の原資は国民の税金なのに、使途については基本的に条件も制限も課していません。多額な寄付を自分におこなった後、どんな使い方をしたのかは、闇の中で、チェックできないことは問題です。
政党助成金をめぐっては、中道改革連合の分裂後、約12億円の政党助成金を受け取るために、1人だけ残留するやり方に疑問の声が上がっています。国民の思想・信条の自由に反して支持もしていない政党に強制的に交付される政党助成金はそもそも憲法違反であり、国民から政治資金を集める努力をしなくなるような、政党の自立を阻む制度そのものが問われています。

