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2026年9月20日

同志社国際高辺野古沖事故 第三者調査報告書から 学校安全を考える(下)

疑問抱きうる場面全て見過ごし安全配慮義務は教育の重要課題

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 【(3)生徒・保護者への説明義務違反】

 生徒・保護者への各説明会で学校は、安全面にふれませんでした。遊覧船やクルーザーの大きさの船に乗るものと思い、実際の船の小ささに不安を覚えた生徒もいました。

 報告書は、「生徒及び保護者に適切な自己決定の機会を保障する観点から」、「研修旅行の具体的な安全性」についての情報提供を行う義務が学校にあるとし、義務違反を認めました。

 【安全管理の欠如】

 なぜ事故を防げなかったのか。報告書は、その最後に「安全管理に関する意識の欠如」をあげます。

 過去の生徒の感想、下見の提案など「安全性について疑問を抱き得る場面・機会」は多くありましたが、「全て見過ごされ」ました。報告書は、以前から関わりのあった船長(牧師、今回事故死)への「根拠のない盲目的な信頼」があったとしました。

 安全には一定のチェック項目も必要です。しかし、修学旅行については何もありませんでした。報告書は、事前調査、気象等の把握、新しい経路は入念に検討など11項目を、危機管理の「マニュアル必要項目」としました。事故後の5月27日に学校が定めたマニュアルを評価しつつ、その補強を提案しています。

 【学校の重大事故と安全配慮義務】

 学校事故の遺族や被害者の訴えから、子どもには安全に教育を受ける権利があり、学校には安全配慮義務があり、行政は条件整備で支えるという考え方が形成されてきました。

 その一つに、土佐高校落雷事故最高裁判決(2006年3月13日)があります。判決は、雨があがり空が明るくなってきたもとで落雷の予見は困難という学校側の主張をしりぞけ、当時の科学的知見があれば予見可能で、学校側は「注意義務を怠った」としました。たとえ「平均的なスポーツ指導者」がそうした水準になくとも、子どもの生命を預かる学校では許されないとしたものです。

年数回あるかないか

 斎藤秀俊・水難学会理事は、辺野古沖の事故に関して、気象庁公表の波浪予想図によれば日本の2千キロ東の低気圧から丸一日かけて強力な「うねり」が沖縄に届き、辺野古沖のうねりは「年に数回あるかないかの極めて珍しい、強力なもの」と指摘しました(26年3月18日付「琉球新報」)。

 事故当時、リーフに囲まれた辺野古港の波はおだやかでした。しかし、そのすぐ先では船を転覆させる大波がうねっていました。そのことを知る責任もあったのではないか。教育では子どもの命が最優先です。安全配慮義務は教育の切実な課題です。

ボート運航側の責任

 報告書の対象ではありませんが、ボート運航側の安全管理も当然問われます。

 知床遊覧船沈没事故を受け、2023年に海上運送法が改正され、運送者の安全対策が強化されましたが、それに対応していませんでした。同法違反による捜査が進行中です。

 報告書は、ボートは「海上行動チーム」というボランティアたちに担われ、ヘリ基地反対協議会が決定・指示して行われてはいないが、協議会はボートの修理代を負担するなど一定の関係があるとしました。

 日本共産党の田村智子委員長は5月17日、「協議会の構成団体である日本共産党として、心からおわびするとともに、事故原因の解明、ご遺族への直接の謝罪と補償が行われるよう尽力する」と述べました。この立場を今後とも貫いていきます。

 同時に、深刻な事故を利用して平和教育に介入することは許されません。日本共産党は、安全管理の問題と平和教育とを混同せず、それぞれ議論することを重視しています。(おわり)