米国産生食用ジャガイモの輸入解禁に向けた手続きが進められています。解禁されれば米国産が大量に流通し、国内生産は大打撃を受けます。農薬が残留する米国産ジャガイモの輸入は消費者にとっても重大です。許すわけにはいきません。
現在、日本の食料自給率は37%に低迷していますが、生食用ジャガイモの自給率は100%です。
種芋を介して病害虫が広がりやすく、農家は厳重な管理をしながら生産しています。輸入解禁で特に懸念されるのはジャガイモシロシストセンチュウという害虫の侵入です。ジャガイモをはじめナス科の根に寄生し生育不良を引き起こします。
この害虫は死ぬと小さく頑丈な球体となり、内部の卵が15年以上も生存します。いったん土壌に入れば死滅させることは困難で、輸入解禁となれば全国の農地に侵入する危険性が高まります。
■食品添加物扱いで
また、広大な農地で生産される米国産は圧倒的な価格競争力があります。国産の8割を生産する北海道では、ジャガイモ、小麦、テンサイ、豆類が「輪作」されており、ジャガイモ生産が危機に陥れば他の品目も危機に陥ります。
さらに問題なのは、収穫後、輸出の際に使われる農薬です。その一つ、殺菌剤のジフェノコナゾールは日本では農薬登録されていますが、収穫後の使用は禁止されています。発がん性等があり、内部組織に残留するからです。
しかし、2020年に米国が輸入解禁を要請した際、農薬ではなく食品添加物として申請・認可され、残留農薬の基準値も20倍に引き上げられました。申請したのは多国籍農薬企業です。
米国でジャガイモの発芽抑制に使われている除草剤クロルプロファムも同様です。日本では収穫後の使用は禁止されており、EU(欧州連合)では20年に全面使用禁止となっています。
政府は1日の摂取許容量を上回らなければ「科学的に問題ない」と言います。だからと言って100%安全とは言えません。科学の進歩で新たなリスクが示され、添加物指定が取り消された事例はいくつもあります。それまでは懸念があっても使い続けられていました。だからこそ食品添加物の使用は極力制限すべきなのです。
自給できるジャガイモを、禁止された農薬を添加物として認可し、健康リスクを負ってまで米国から輸入する必要はまったくありません。
■米国に膝屈するな
生食用ジャガイモの輸入解禁は、第1次トランプ政権が、検疫措置の国際ルールを定めたWTO(世界貿易機関)SPS協定に基づいて求めたものです。日本政府は、米国の要請に応え「粛々と手続きを進める」としています。
しかし現在、トランプ米政権はWTO協定を無視し、日本からの食料品の輸入に高い関税を課しています。無法なトランプ関税に対しカナダのカーニー政権は公然と抗議し対抗措置を発動しています。
日本政府は、米国の身勝手な要求に膝を屈して手続きを進めるべきではありません。

