暴走を続ける高市政権の内閣支持率が下落し、それに迎合してきた補完勢力や極右勢力も政治的に失速しています。こうした政治情勢の変化は、自然に生まれたものではありません。平和、暮らし、民主主義を守り、自民党政権に正面から対峙(たいじ)してきた日本共産党の不屈のたたかいが、その変化を切り開く大きな力となってきました。たたかいの経過を振り返りながら、その意味を検証します。
反共・共闘攻撃はねのけ
日本共産党が市民と野党の共闘の「一丁目一番地」として、2015年以降、一貫して掲げてきたのが安保法制の廃止です。15年、安保法制に反対する空前の国民的な運動が広がるなか、日本共産党は同年9月19日、安保法制廃止のための「国民連合政府」を提唱しました。野党に国政選挙での選挙協力を呼び掛け、「市民と野党の共闘」という新たな政治の流れを切り開きました。
政権交代挑む
21年の総選挙では、市民連合と野党4党が共通政策を結び、日本共産党と立憲民主党の間では政権協力で合意。共通政策、政権協力、選挙協力の3点セットがそろい、公示ぎりぎりになったとはいえ共闘態勢が整い、本格的な政権交代に挑みました。
これに心底恐怖心をおぼえた自公政権は、「自由、民主主義の思想のもとに運営される政権と、共産主義が初めて入ってくる政権とどちらを選ぶかという政権選択だ」(自民党の甘利明幹事長=当時)と、選挙の性格を根本からねじ曲げる「体制選択論」攻撃を展開。各地でビラや演説などによる強烈な反共、野党共闘攻撃を繰り返しました。結果的に自公は過半数を維持しましたが、共闘勢力が一本化した候補は59選挙区で勝利し、自民党の重鎮や現職幹事長を落選させるなど、自公をあと一歩まで追い詰めました。
これに“教訓”を得た支配勢力は、共闘を分断し、日本共産党を封じ込めるため、反共攻撃をいっそう強めました。一部メディアも動員し、日本共産党が日米安保条約の解消を綱領路線の根本にすえているのは「現実離れ」だと決めつけたり、党の自律的な組織原則についても「異論封じ」「閉鎖的な体質」などと一斉に攻撃しました。
22年には立憲民主党側から共闘に対する消極的な動きが強まり、参院選では政権協力の合意は「横に置かれ」、1人区での候補者一本化も限定的なものとなりました。しかし、日本共産党は、根拠のない攻撃に断固として反論するとともに複雑で困難な情勢のもとでも、自民党政治への対決姿勢と野党共闘を堅持する姿勢を手放しませんでした。
裏金が争点に
そうしたなかで噴出したのが、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題です。22年11月、「しんぶん赤旗」日曜版が、自民党の主要5派閥による政治資金パーティー収入の巨額の不記載をスクープ。その後の報道や国会での追及によって、派閥ぐるみで裏金を長年つくってきた実態が明るみになりました。
日本共産党は、裏金づくりを個々の議員の問題にとどめず、企業・団体献金の全面禁止を掲げ、金権腐敗政治の一掃を訴え続けました。24年総選挙終盤には、「しんぶん赤旗」が自民党裏金非公認候補への政党助成金2000万円提供をスクープ。これが選挙戦終盤の大きな争点となり、自公が過半数を割り込む結果となりました。続く25年参院選でも自公は過半数を失い、自公連立政権では衆参両院で初めて過半数を失いました。
一方で、自民党政治への不信が広がるなか、国民民主党が「手取りを増やす」と訴えて支持を広げ(24年)、参政党も排外主義的な主張と減税を掲げて議席を伸ばす(25年)など、補完勢力や極右勢力が台頭しました。これらの勢力の伸長によって自民党政治への批判が分散し、日本共産党の値打ちが国民に見えづらい状況がつくられ、厳しいたたかいを強いられました。
そして、自民党は政治基盤の立て直しを図り、「解党的出直し」を掲げるなかで、高市政権が発足。タカ派色の強い高市政権の発足にともない、公明党は自民党との連立から離脱し、日本維新の会が連立に加わることで、政権はさらに右寄りの性格を強めました。
新たな局面へ
今年1月、高市早苗首相がクーデター的に衆院を解散し、総選挙に突入。自民党政治への不信がなお広がる一方、高市首相は高い内閣支持率を背景に、「高市早苗でいいのかを国民が決める選挙」という一点を前面に押し出しました。さらに、各党が訴えていた消費税減税にも自民党として初めて政権公約で言及するなど、国民の期待や不満を取り込む動きを強めました。こうして「高市旋風」ともいわれる流れがつくられ、日本共産党にとって「突風」「逆風」となる厳しいたたかいとなりました。
大軍拡・改憲反対、大企業・富裕層への応分の負担で消費税減税、最低賃金の引き上げを―。日本共産党が自民党政治への対抗軸を築き、前進しようとすれば、支配勢力は攻撃や共闘の分断を強め、補完勢力や極右勢力も台頭する。しかし、その過程でも自民党政治の矛盾と行き詰まりはさらに深まっていく―。日本共産党の真正面からのたたかいと支配勢力の反撃がぶつかり合うなかで、政治はそのたびに新たな局面へと動いてきたのです。
総選挙後 補完勢力は
総選挙の結果、衆院で圧倒的な議席を得た高市政権は、特別国会で暴走政治を加速させました。
円安などによる物価高から暮らしを守る対策にはまともに取り組まない一方で、長射程ミサイル配備強行や武器輸出解禁など憲法無視の「戦争国家づくり」にまい進。各社の世論調査では支持率が軒並み低迷し始めています。「毎日」調査では、総選挙後の2月調査で61%だった内閣支持率が、8月には41%まで落ち込みました。
高市政権の暴走が行き詰まるとともに、各党の立ち位置が見えやすくなる状況が生まれています。
政権入りした維新は「アクセル役」を自任し、国家情報会議設置法や国旗損壊処罰法の成立強行、改憲策動など「戦争国家」に突き進む自民党政治の暴走を加速する役割を果たしています。衆院比例定数削減法案や「副首都」法など党利党略の法案成立のため、与党のみで審議を強行するなど、国会運営でも議会制民主主義を破壊する「アクセル」役を務めました。
高市政権に対峙(たいじ)できない補完勢力の立ち位置もあらわになっています。
国民民主党は、「対決より解決」を掲げ、政権に対し是々非々の姿勢をとってきましたが、多数与党の高市政権の下で支持率が低迷。戦争国家づくりを進める法案に賛成し、与党とともに国旗損壊処罰法案を共同提出するなど補完勢力ぶりをあらわにしました。「朝日」は党代表選をうけた社説(9月8日付)で「与党との差異は何か、どこで一線を画すのかを示せなければ、政権の補完勢力と見られても仕方あるまい」と断じました。
参政党は外国人排斥やジェンダー差別などの極右的な主張をふりまき、外国人管理政策の強化や「スパイ防止法」制定などで高市政権を後押しする役割を果たしています。ただ、歴代自民党政権でも最も右翼的な高市政権という巨大与党が生まれたことで、参政党の存在感は薄まっています。
新興政党として総選挙で支持を大きく伸ばしたチームみらいは、参院での与党過半数割れの下、副首都法案に賛成して成立をアシスト。9条改憲や靖国神社参拝などでは自民党と変わらない姿勢も明らかになりました。
一方、中道は高市政権・自民党政治と対決する軸を失い、特別国会では国家情報会議設置法や皇室典範改定などに賛成し、高市政権を助けました。国民の支持を失い、予定していた公明、立憲民主両党との合流も頓挫。結党からわずか7カ月で解体となり、行方も定まらない状況です。
正面対決の党に注目
高市政権と対決しない補完勢力や右翼勢力の自民・維新政権への追随、対決軸喪失が鮮明となり、政治的失速が強まるなか、平和の問題でも、暮らしの問題でも、民主主義の問題でも、高市政権の暴走と正面対決し、国民的な対案を示している日本共産党に注目が集まっています。7月のNHK世論調査では、支持率で日本共産党が野党第1党に。“夏の珍事”と揶揄(やゆ)する声もありましたが、明確な政治的な背景をもった必然的流れです。
日本共産党は、米国言いなりの大軍拡や武器輸出解禁などは、軍事的な抑止力強化を図る「戦争の道」だと批判し、相手に安心を与える外交でこそ平和はつくられると主張しています。全国に広がるペンライトデモに連帯し草の根のたたかいでも全力をあげています。
暮らしや経済の問題では、高市政権の「2年間だけ食料品1%」への消費税減税は、2年後の大増税が確定し、財源も不明確なまやかし減税だと批判し、消費税を一律5%に引き下げる恒久減税や最低賃金の大幅引き上げ、社会保障の改悪中止などを求めています。
同時に、高市政権が掲げる大企業や軍事へのバラマキをやめて、大企業や超富裕層への応分の負担を求める財政政策の転換を求めています。
日本共産党は、自民、維新両党の連立政権合意に基づき高市政権が臨時国会で狙う衆院比例定数削減に対し、定数削減は民意を削るもので、とりわけ民意を直接反映する比例定数の削減は、議会制民主主義を破壊するものだと批判しています。
日本共産党が掲げる方向こそ、平和、暮らしを守り、民主主義を豊かにしてほしいという国民多数の思いに応える道です。共産党への期待と注目は共産党自身の不屈のたたかいが切り開いてきたものです。今こそ打って出て党を強く大きくするとりくみを飛躍させるときです。

